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とてもすきです、だからきらいです、お願いだからしんでください

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ねむけまなこをこすりながら起き上がると木陰の向こうに人の声が聞こえた。寝起きの頭にざわざわとうるさい。だれだよ、と毒づきながらそちらを見やると、見慣れた金の頭と広い背中が見えた。そしてその向こうにちいさな女の子。見たことのない彼女の口が数度動いて、彼の頭がすうと下がった。何をしているのかを理解した俺はその場を走って去った。なぜか心臓がばくばく言っていた。どうしてこんなに息がくるしいのかわからなかった。目頭がじんと痛む。いつだって教えてもないのに俺のいる場所をまっさきに見つけて駆けてくる彼は今日に限って追いかけて来なかった。俺の視界がかってに歪んで、走っていたはずの足が止まった。息ができないから胸が痛い。どこか奥の方がきゅうとしまる。はあ、と息を吐いたら予想外にせつない音が聞こえて、涙がこぼれた。痛い、痛い、しにたい。しんで、とつぶやいて俺は涙をがまんするのを諦めた。シズちゃんがしぬ前に彼女に酷く振られてしまうといい、と思った。