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蓑蟲

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※静雄視点
















「ふぁ~…」


起床。今日は休みなんで目覚ましをかけなかった。昨日は遅くまでトムさんと飲んで、帰って来たのは深夜3時位だったか。シャワーも浴びずに帰ってそのまま敷きっぱだった布団の上にダイブした記憶はある。時計を見るとAM11:28。まぁけっこう寝たほうか。
とりあえずシャワーを浴びて、さて今日は何をしようか。とりたて約束もない。…っつか約束がある日なんてほとんどねぇけどな。俺あんま知り合いいねーし。トムさんとも休みの日はそんな一緒にいるわけじゃない。休みの日くらい俺のお守りから解放されてもいーだろ。俺といると面倒に巻きこんじまうからな…。
幽は、多分撮影やらなにやらで忙しいだろうし、セルティはどうだろう。てかいつも街を歩いてて見かけたときに話すばっかだからな。それにあいつん家行くと煩い奴がいるから嫌だ。


「……」


趣味もとくにねーし、ほんと特にやることねー。めんどくせぇけど掃除でもするかと部屋を見回す。しばらく掃除もしてないそこは埃と共生していると言っても過言ではない。その前にシャワー。洗濯物とりこんでねーから外か、と、ボリボリ頭をかきながらタオルを取るべくガラリと窓を開けた。


「あ、シズちゃん、随分遅いお目覚めだねぇ」


っ!?
なんだ!? 今すげー背筋がゾワっとくるノミ蟲的ななんか嫌な声が聞こえた気がした。が。
だがあたりを見回してもあのクソ忌々しい黒コートは見当たらない。


「……」


なんだまだ酔ってんのか。それとも疲れてるのか…。こんな休みの日にまであのクソ蟲の幻聴を聞くなんてどうかしてると思いながら、俺はハンガーから乾いたタオルを一枚ブチっと引っ張って取った。


「あっ、ちょっと揺らさないでよ! 粗野で乱暴な男は嫌われるよー!?」
「っア゙!?」


また聴こえた。2回も聴こえるなんて俺はどれだけ疲れてんのか。
だがもっかいちゃんと今度は窓の下やアパートの塀あたりも見てみるがそれらしき人物はいない。寝起きだからゴシゴシと目を擦ってもう一度。……だが、いない。


「…?」


やっぱり疲れてんのか。シャワーは後にしてもうちょっと寝ようかと窓をそのままに布団にノロノロと足を進めた時、またまた背後から…窓の外から「シズちゃん」なんて声が聴こえてきた。
もうここまで来るとホラーってもんだろ。
俺は今度はそろりと窓から外へ頭半分覗かせるぐらいで辺りを見回してみる。どうせいないだろうと。だが視線を一通り巡らして、ひとつ違和感を覚える。? なんかついてる、と。その違和感に気づくべきではなかったんだろう。だが次に聞こえてきた声にその違和感に視線を当てざるを得なくなった。


「こっちだよ、ここ!」


洗濯ハンガー。10連くらいに洗濯バサミが連なったその端に、なにか楕円状の黒い物体が目に映る。
ゴミか、と思った。だがゴミにしては拳大くらいの大きさのそれはひっかかっているというよりしっかりハンガーにくっついていて。まるで、そう。なにか虫の…どこか図鑑で見たことあるようなその物体。
俺は手を伸ばしてそれに触れてみる。木の枝が何本か密集してできたようなその楕円形の物体。タオル同様ハンガーからブチッと取ってみた。
コロコロ手の中で転がしてみる。と、ある一点でとっても気色悪い人物と遭遇することになった。


「やぁ、シズちゃん。ご機嫌よう?」
「…………」


その楕円形の側面。飛び出すような形で、臨也が俺に笑いかけていた。


























〈蓑蟲〉みのむし




ノミ蟲と打ったはずがミノ蟲って打ってたのを発見して、ミノ蟲になったらかわいんじゃないの臨也くんと思ってかいてみたらホラー(ギャグ?)になった。


作品名:蓑蟲 作家名:七枝