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伝わらない気持ち

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「よー帝人!ナンパ行こうぜ!」

相変わらずの発言を日々発している紀田正臣

この正臣こそが僕の最近の悩みの種である

「ナンパって昨日も行ったじゃん」
「何言ってんだよ帝人!昨日は昨日、今日は今日だ。昨日はいなかった女の子達が俺を待って泣いてるかもしれないんだぞ!」

「はぁ」

そう言っていつもの様に寒い発言とオーバーアクション気味で一人盛り上がっている

自分で言うのも恥ずかしいが
一応僕たちはお付き合いをしている関係だ

なのに最近は会う度会う度ナンパのお誘い
付き合う前は何とも思わなかったこのナンパ

付き合ってる今はやっぱり気になる

僕が横にいるのにナンパって
ていうか一緒にって誘うなんて

「ありえない」

「何か言ったか帝人?」
「何でもないよ」

これが正臣がいう恋愛テクなのかな?
僕にヤキモチを妬かせたいとか?

その手に乗るのはムカツク
正臣に踊らされてるみたいだし

でもやっぱり嫌だな……
僕に告白したのも冗談だったのかな……

僕が悩んでる間にも正臣はいろんな女の子に声をかけている
そして振られている

成功したところ見たことないけど
前に声をかけることを目的にしてるって言ってたから
あれは成功してるっていえるのかな?

もう諦めるしかないのかな
あのナンパ癖は

「帰ろうかな……」

正臣はナンパに夢中で僕はおいてきぼり

「帰「君」え?」

帰ろうとしたら声をかけられ
振り向くとそこには女の人が立っていた

大学生くらいかな?

「何かご用ですか?」
「君って今ヒマ?さっきから一人でぼーっとしてたじゃん」

「えっあの」
「ヒマならお姉さんと一緒に遊ばない?」

「え!?」

僕もしかして今ナンパされてる!?
でも何で?

「そこのカフェとかで良いからさ」
「あのっそのっ」

どうしよっ
僕は人生初のナンパという予想外の出来事に慌てていると

「すみませーんお姉さん。こいつは俺の連れなんで持ってかないでもらえませんか?」
「えっ正臣?」

僕の手を取ろうとしていたお姉さんより先に
正臣が僕の肩を引いて傍に寄せていた

「なーんだ、連れがいたんだ。じゃあ仕方ないね今回は諦めるわ。またね」

そういってお姉さんは帰ろうとしたが

「あっそうだ、君」

お姉さんは正臣に近付いて耳元で何かを囁いた

「なっ」

正臣は顔を赤くして驚いた表情をしている

「ふふっじゃあね~」

お姉さんはそんな正臣を見て満足したのか
颯爽と帰っていった

「正臣、何を言われたの?」
「なんでもない!それより行くぞ!」

「えっどこに!?」
「お前の家!」

そう言って正臣は俺の手を引いて歩き出した


ところ変わって僕の家
さっきから正臣は黙ったままだ
ていうか一人でジタバタしてる

「正臣?」
「帝人!」

「はいっ」
「ごめん!」

「は?」

いきなり名前を呼ばれて
いきなり謝られた

「えっと何が?」
「全部だよ!最近ナンパばっかりしてたのも一人にしたのも!」

正臣はまた頭を下げた

僕は急な展開に頭がついていかなかった

僕が正臣にモヤモヤしてて
お姉さんにナンパされて
正臣に手を引かれて
家で謝られて

あーもー!

僕が一人で混乱してる中
正臣が理由を話し出した

「実は帝人と付き合える様になって嬉しかったんだけど、何だか俺ばっかり帝人の事を好きな気がして帝人の気を引こうとナンパに繰り出してたんだ」

やっぱりヤキモチ説は合ってたんだ
ていうか……

「なにそれ……」
「うぅ、スミマセン」

目の前の正臣は情けない顔をしてこちらを見つめていた

「僕めちゃくちゃ不安だったんだけど……付き合ってるのにナンパばっかりするから。僕に告白したのだって冗談なんじゃないかって」
「そんなわけないだろ!」

「だって……」
「悪かった!俺が悪かったから!もうナンパもしないから!だからそんな泣きそうな顔をしないでくれ」

「ばか……正臣も泣きそうな顔してるじゃん」

たくっ
こんな姿を見たら許すしかないじゃないか

「正臣」
「えっ」

僕は正臣にキスをした

「な!」

正臣は真っ赤になってこちらを見ている

「もうナンパは無しだからね」
「はっはい!」

僕らは2人して空回っていたんだと思う
こんなにお互い好きだったのに
それにも気付かないくらい

これからはお互いに気持ちを伝えていかなきゃね正臣

「正臣、好きだよ。次ナンパしたら許さないから」
「わかってる。これからは帝人にストレートに気持ちを伝えるからな大丈夫。俺も大好きだぞ帝人ー!」


End






おまけ


「ねえ正臣」
「なんだいハニー!」

「うざい。さっきお姉さんに何言われたの?」
「酷いぜ帝人、俺の愛をそんな一言で……てか言わなきゃダメか?俺的には聞かない方が良いと思うぜ?」

「うん。気になるし」

「…………気を引きたいのはわかるけど、あんまり恋人を一人にしちゃダメだよ。彼、泣きそうな顔で君を見てたよって」

「な!」
「結構前から俺らの事見てたみたいで帝人の不安そうな視線で俺らの関係に気付いたらしい」

はっはっ恥ずかしい!

「だから聞かない方が良いって言ったのに」
「うるさい!正臣のバカ!」

僕ってそんなにわかりやすいのかな……
気をつけよ……


作品名:伝わらない気持ち 作家名:神郷