静雄と青葉
公園のベンチに座っていた青葉が横を向くと肩で息をする静雄が立っていた。
「いえ僕も今さっき来た所ですよ」
そう言って青葉はベンチから腰を上げた。
「そうか・・いやでも時間遅れちまったし」
「いいんですよ、僕が無理言って会いたいなんて言ったんですから、静雄さんは気にしないでください」
青葉は静雄に近寄ると手を取った。
「あっ待て青葉今汗かいてっから、手洗ってくる」
静雄は青葉から離れると近くにある水飲み場に足を向けた。
「別に気にしませんよ」
「俺が気にすんだ」
隣について来た青葉にそう言いながら静雄は蛇口を捻った。
勢いよく出てきた水に手を突っ込むと水が跳ねた。
「静雄さん暑いですね今日」
「あ?あーそうだな、夏だしなぁ」
「静雄さんアイス食べに行きましょう」
「あぁいいぜ」
静雄は手についた雫を飛ばしながら言った。
「静雄さんって甘いもの好きですよね」
「あー・・そうだな」
静雄は頬を指で掻きながら言った。
「そういう所可愛いですよね」
「うっせ」
「耳赤いですよー、静雄さんってホント可愛いですよね」
「青葉の方が可愛いっつの・・」
静雄が呟いた言葉に青葉は口を開いて固まった。
「どうした?」
「へ?!いや・・えっと」
「顔、赤いぞ」
「えっえっ」
頬に手を当てる青葉に静雄は口元を緩めた。
「何笑ってるんですか静雄さん・・」
「わりい、いや青葉は可愛いなって思ってよ」
「うるさいです・・」