二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

見えない星は光っているか

INDEX|4ページ/4ページ|

前のページ
 













「 その後さ、すごくお母さんに怒られたの。何時だと思ってるの馬鹿って 」

「 当たり前だろ。 10時まで娘がどこに居るかもわからないってなったら不安にもなる」

「 まあね。 でもあの時の哉太、すごく可愛かったなあ~ 」

「 悪かったな、あの時だけで 」




ベッドに二人向かい合いながら寝転んで、ふふと笑いあう。
月子が左手で、横髪を耳にかける。
その左手の薬指には、シンプルなデザインのシルバーリング。
数年前、俺が月子に上げたものだ。

月子と、一生を歩んでいくと誓い合った時に。




「 哉太 」

「 ん?なんだ 」

「 哉太はあの時、星なんかないって言ったじゃない 」

「 …ああ 」

「 でもね、実は見えないだけで、あの分厚い雲の中に星が輝いていたんじゃないかって思うの」

「 …へーえ。 それまたどうしてだ? 」

「 だって、私があの時ずっと願っていたことが、全部叶ったんだもん 」

「 ……… 」


「 だって私、こんなにも幸せだもん 」




―――…あの時の俺と、同じことを考えてる。
まああの時の俺は、”もしも”という仮定の上で願い事をしていたわけだけれど。

月子の亜麻色の髪をすきながら、俺は軽く笑った。




「 なあ、月子 」

「 うん?なあに、哉太 」

「 俺も、すげえ幸せだよ 」




だって、俺もあの時の願い事が全部叶ったんだ。

俺の病気を治してください。
三人で天体観測に行かせて下さい。

俺をどこにも連れて行かないで下さい。


そして、俺の傍にずっと、月子を居させてください。




「 …つきこ 」

「 ふふっ。今の声、すごく子供みたいだった 」

「 う、うるせー!」




照れ隠しの意もこめて、月子をぎゅうっと後ろから抱きしめる。
…ああ、あの時、泣いた時と同じだ。
お前の後姿は、昔から全然変わってないんだな。

俺の腕の中に居る愛おしい人を、より一層強く抱きしめた。





「 愛してる。世界で一番愛してる 」





流れ星様。

俺は今、すごく幸せです。












((( 星は見えなくても、きっと )))







作品名:見えない星は光っているか 作家名:透子