鉄のラインバレルログまとめ(森次受中心)
早瀬の中で纏まった意見には、当然のように森次の都合は考慮されていない。普通ならば腹を立てるところだが、森次は溜息一つで済ました。どうせ無意味に過ぎる休日ならば、彼と共に過ごした方が有意義だろう。
誰かと共に過ごす休日など、久々だった。森次は仕舞いかけの書類をまた広げる。
「一時間以上掛かるかもしれないが、いいか?」
「それで明日一日中あなたと過ごせるなら、十分お釣りがきますよ」
嬉しそうに笑う早瀬に、つられて森次も笑みを零した。
明日、気が向いたら今日のことを話してみようか。その時この少年は一体どんな反応を返してくれるだろう。
十も離れたこども相手に、ここまで許した自分が何より許せず、なによりプライドなんて初めからなかったような気がした。
080927
作品名:鉄のラインバレルログまとめ(森次受中心) 作家名:てい