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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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【完全読み切り】鳳

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大きな鳥が悠然と舞う。虹の翼を靡かせて。

 「ヒビキ殿」
 「どうしたのさホーちゃん」
 まさかちゃん付けで呼ばれたりするとは夢にも思わなかった。今の主人の恋の対象がつけた渾名である。
 今の主人は13歳の少年である。
 虹翅ヒビキ。ワカバタウンという田舎町の出身である。

 ♯

 彼が鳳凰−ホウオウ−の名前を持つそのポケモンを何故従えられるのか。

 そこには、血統の正統性と、心の潔白が必要となる。彼は、知り得なかったことだったが、彼こそは正統なるホウオウの主人の後継者なのだ。
 透明な鈴と虹色の羽を手に入れて修行僧に見せると、修行僧は彼の手に羽がある時だけ、虹色の光が強くなるのを見つけたのだ。
 しかし、それだけでは不十分であった。

 彼の父親も血統の正統性が保証されているというのに、彼から奪った羽と鈴ではホウオウは認めなかったのだ。

 「巨悪に魂を売り払った者に我は従いたくあらぬ故」



 「空の旅は楽しんでおられるか?」
 「うん」
 「ならば光栄」

下界でライコウ、エンテイ、スイクンの三匹も駆ける。
ホウオウはふと、最初に仕えた主人を思い出した。

 「血は争えないものよ…」