夢心地
「滝口くん」
屋上の扉を開けると目当ての人物はすぐに見付かった
「よぉ竜ヶ峰」
僕が探していた人物
滝口くんは同じ学校の友達
そしてダラーズの一員でもある
この滝口くんこそが僕が目指しているダラーズのあるべき姿だと思っているんだ
この間紀田くんから紹介された彼
その後もこうして一緒に過ごすことが増えた
「今日は他の奴らがいないから俺達だけだな」
彼に言われて周りを見渡してみたら確かに僕達しかいない
「本当だ……珍しいね」
「だよなー」
そう言って僕は滝口くんの隣に座る
「そういえば、この前の曲の続き出来た?」
「あぁ結構進んだぜ、聞いてみる?」
「え?」
滝口くんはポケットから音楽プレイヤーを出してみせた
「録音したやつがあるんだ」
「聞く!ありがとう」
僕はイヤホンの片方を借りて
滝口くんと1つずつつけた
すごく穏やかな時間が僕達2人の間で流れている
非日常を求める僕だけど
こんな日も良いな……
耳から入ってくる心地好い音楽が心地好くて
僕の瞼は段々下がってきた
あっやばい……
寝そう……
けど……まぁ良いか……
そうして僕は心地好い音楽とともに眠りについたのだった
SIDE 滝口
最近よくつるむ奴がいる
竜ヶ峰帝人だ
この前紀田に紹介され
ダラーズなのかと聞かれた
イロイロ聞かれて答えはしたけど
その時の事はあまり覚えてない
ただ噂の竜ヶ峰を見れたことのが印象強かった
ぶっちゃけ予想してたのより
ひょろかった
見事に名前負けしてるなってのが第一印象
そんな竜ヶ峰と後からも交流している
2人でいるのが何だか心地好い
らくってか楽しい
竜ヶ峰は曲を作ってる俺を馬鹿にしない
紀田も馬鹿にはしないが
竜ヶ峰はこうして一緒に聞いたりもする
竜ヶ峰はこの曲がお気に入りらしい
最近は毎回リクエストしてくる
俺もこの曲は結構気に入ってるから嬉しかった
そして、ふっと横を見ると
そこには幸せそうに眠っている竜ヶ峰の姿があった
「今日は暖かいからな…まぁ気持ち良さそうな顔してるよ」
俺がそう呟くと一瞬竜ヶ峰が動いて
起こしたかと思ったが
起きることなく眠りに入ったようだ
「こんな日も良いな……」
だんだん俺も眠たくなってきた
俺も少し寝よう……
end
おまけ
「やっほーーー!皆の紀田正臣の登場だぜ!ってあれ?」
帝人を探しに屋上まで来た俺の目の前には
なんとも微笑ましい2人がいた
「あっ折角だし……」
俺はケータイを取り出しカメラを起動させ2人に向け
シャッターを押す
画面には2人でイヤホンを半分ずつつけ肩を寄り添って寝ている2人の姿があった
「後5分くらいしたら起こすかな」
俺はケータイの画面を眺めながら
2人をからかうネタを考えるのだった
end