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【腐向けAPH】ついった140字ログ【随時更新予定】

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中受け中心です。


nichu
心が熱い、それだけではない。じわりと涙腺まで緩まってしまったようだ。何を言ったらいいのか分からない、突然胸がいっぱいになり、何をしたらいいか分からなくなってしまう。目の前の人はそんな私に気が付いたのだろうか。瞳だけを合わせて悪戯っぽく笑う。酷く、彼は残酷であり、私を放さないことを。

eichu
離さないと彼が言った言葉は酷く熱を帯びていて、その熱にぐらりと強請られそうになる。そんなことをされるわけ無いだろう。だって、我は、大嫌いなのだ。存在を憎みきって生きている。憎まないと生きることが出来ない。憎んでいる。その意味でならば「離さない」と言い切ろう。見つめて、地獄までも。

eichu
「…なんで」「どうしても」馬鹿馬鹿しいこの応酬にもそろそろ疲れてきたのだ。けれども辞めるつもりは相手には無いらしい。執拗なその唇を黙らせるにはどうしたらいい?しばらく逡巡して、そうか、その唇を塞いでしまえばいいのだという結論を導き出す。がぶり、食べてしまえば、喋ることは出来ない。

rochu
純粋な執着は恋情だといったのは誰だろう。あまりにも純朴なその紫に縫いとめられたように動けなくなる。現実、身体もその腕で彼に縫いとめられているのだけれども、何よりも瞳に負けてしまっている。拘束されたままで、肩をすくめる。どうしたって、勝つことは出来ない。純粋なものの前では霞むのだ。

honchu
歪んだ愛情は何かを壊していく。壊れてしまったと小さく呟いてただただ愛してると壊れたテープレコーダーのように繰り返し続ける存在をぎゅう、と抱きしめて、それを認める。そっくりな顔なのに、どこまでも違う方向へと走ってしまったこの存在を、どう愛したらいいのか、を永遠に悩み続けるのである。

kanchu
あにき、柔らかい声にびくりと体を強張らせると、覗き込むその姿に出会う。魘されてた、んだぜと小さく呟く彼の表情は本当に心配そうで逆に申し訳なくなり、安心させようと身体を起きあげた。「ダメ」「どうして」「疲れてるから悪い夢みたんだ」「そんなことないある」「嘘だ」彼の声は確信をついた。

honchu
「がけっぷちなんだけど」「何が?」「ん、恋愛感情って意味で」ぽつり、隣でお茶を飲んでいた香が言う。その意味を耀は理解できなくて首を傾げた。あまりに無邪気すぎるその仕草に答える。「やっぱ先生って残酷だよ。知ってたけど」「何が?」「こういうことに、未だ気が付いてないんだ。最悪だよ。」

eichu
逆転をした関係で、見つめた先の蜂蜜色は純白の肌を真っ赤に染めて耀を見上げた。サディステックな表情なんて抜け落ちたありのままの彼としての姿に初めて出遭えたような気がしたのだ。彼は愛情を知らない無垢なものであると、知った。だから嫌いでも関係を繋ごうと思った。それが関係の始まりである。

eichu
お前なんか死んでしまえばいい罵詈雑言を全力で叫んだ後に目を開いてそこに居たのは、ぐしゃぐじゃに泣き崩れる蜂蜜と翡翠色だった。己の言ったことの重大さに気が付いて、謝りの言葉を入れることも己の矜持ゆえに叶わない。嗚呼どうしようと呆気に取られているうちに心まで取られてしまったのだ。

eichu
縫いとめられたように泣き崩れる彼から目を話すことが出来ない。彼は、そんな生き物ではなかったはずだ。もっと強く、もっと強かで、罵詈雑言を浴びようなら百数倍にして返すような生物であったはずなのに涙を流し続ける姿に声をかけることさえも出来ない。それほどにまで悲しそうに涙を流すだなんて。

eichu
声をかけたが、それに反応する様子さえ見えない。黒の手袋でひたすらに涙を拭う。まるで小さな子供である。幼子のようである。十分に愛情の与えられなかった子供が泣くような悲痛なその泣き声に彼は動くことが出来ず立ち尽くした。日常であれば地に膝を付くのは耀で、彼が耀を見下していた存在だった。