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池袋のとある洋菓子店~火曜日~

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とある火曜日、そこには予想外の人が立っていた


池袋のとある洋菓子店~火曜日~


「いらっしゃいま・・・せ・・・」
「・・・・・・どうも」

これは夢だろうか
僕の目の前に人急上昇中の俳優
羽島幽平が立っている

「あの……?」
「よお、幽じゃないか」

「トムさん」

僕が未だにフリーズして動けなくなっていたら
トムさんが奥から出てきて羽島幽平に軽く挨拶をした

かすかって?
てか何故にそんなにフレンドリー?

「兄さんいる?」
「静雄か、少し待ってろ」

「は?」

兄さん?
お兄さん?
兄弟?
静雄さんと?

えぇーーーーーーー!!??

「竜ヶ峰?どうかしたって、そうかお前知らなかったな」
「あの……」

僕が混乱していたらトムさんが説明をしてくれた

「羽島幽平こと平和島幽。正真正銘の静雄の弟だ」
「静雄さんって兄弟いたんですか……」

最初こそ有名人の来店に驚きはしたが
今はむしろ静雄さんに弟がいた方に驚いている

しっ知らなかった
そうだ挨拶!

「初めまして!竜ヶ峰帝人です。静雄さんにはお世話になっています」
「初めまして、平和島幽です。こちらこそ兄がいつもお世話になってます」

お互いに頭を下げていたところに静雄さんがやってきた

「なにやってんだお前ら」

「何って挨拶?」

静雄さんの登場に幽さんは頭をあげて答える

「静雄さんに兄弟がいたなんて知りませんでした」
「あぁ会ったときにでも紹介すれば良いかと思ってな。弟だ」

いや、今更紹介されても、いろいろ驚いた後ですしとは言わずに
ここは笑って誤魔化すことにした

「あはは……言われれば似ていますね」
「そうか?」

静雄さんも幽さんも不思議そうにこちらを見る

「今の表情とかそっくりですよ」

表情があまり豊かとはいえない幽さん
表情がはっきりしている静雄さん

似ていない雰囲気もあるが、よく見るとちょっとした表情や仕草が似ている
やっぱり兄弟なんだな~

「そうか、言われ慣れないが嬉しいもんだな」
「そうだね」

2人ともなんだか嬉しそうだ

言わないけど、そんなところもそっくりだよね

「んなことより幽、今日はどうしたんだ?」
「仕事が休みになったから兄さん覗きに来たのと帝人くんを見に来た」

「僕をですか?」

それは予想外のパスだった
えっ静雄さんはわかるけどなんで僕?
初対面だよね?

「静雄さんだけじゃなくて僕もですか?」
「うん。だって兄さんの恋人でしょう?」

「!!静雄さん!?」

幽さんは今ここに爆弾発言を落としていった
そして目の前の静雄さんはバツが悪そうな顔をしている

「あーすまん……」
「兄さんの言ったとおり可愛い子だね」

「かっかわっ!?」

穴があったら入りたい!
ていうかここから逃げ出したい!
なんなんだこの羞恥プレイは!?

「兄さんが最近とっても楽しそうで理由を聞いたら恋人が出来たって」

静雄さん楽しそうにしてたんだ
じゃなくて!
怖いけど、否定されたら嫌だけど、でも……

「俺気にしないからね」
「え?」

「性別のこと、周りがなんて言おうとも俺は気にしないよ。2人が幸せならね」

1番気にしていたこと
それを幽さんは僕が切り出す前にさらっと言ってのけた

「幽さん……」
「兄さんのこと好きなんでしょ?」

「はい」
「なら、それで良いんじゃないかな」

「はい!」

幽さんの言葉に僕は大きく頷いた

やっぱり幽さんは静雄さんの弟さんだ
本当に優しくて本当に素敵な人

「幽さんありがとうございます!」

「…………」

幽さんが僕をじーっと見つめて何かを考えてる?

「幽さん?」

「兄さん、帝人くん連れて帰っていい?」
「え!?」
「駄目に決まってんだろ!」

今までトムさんと僕たちの話を聞いていた静雄さんが慌てて僕の前に立つ

「だって本当に可愛いし」
「可愛いのは当たり前だか帝人は俺の恋人だぞ!」

「でも……」
「でもじゃない!」

静雄さんと幽さんは言い合いを始めてしまった
止めた方が良いのかな?

「ほっといても大丈夫だぞ」
「トムさん」

「あの程度の口喧嘩ならすぐに収まるさ」
「そうですか。あの2人ってやっぱり仲が良いんですね」

「そうだな」
「ぼく一人っ子だから羨ましいですって」

あれ?
なんだか話の方向が?

「じゃあいっその事3人で住まない?」
「……それなら構わん」

「って、なんでそうなるんですか!?ちょっトムさんすみません!」

なんだか話がとてつもなく大きくなってる
トムさんと話してる間になんでそこまで!
僕はトムさんに一声かけてから2人の間に入る

そして今度は2人を説得させるために話を進める
なんでこうなるんだ……

でもこうやって3人で話すのも楽しいかもって思ったのは
今はとりあえず内緒にしておこう

「あの3人、ああして話してたら本当に3兄弟みたいだな」

僕が四苦八苦している時に呟いたトムさんのこの言葉は
僕の耳に入ることなく消えていったのだった

「あーもー取り敢えず落ち着きましょう!!」


そんなこんなのちょっと騒がしくなってしまった火曜日でした


End