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永遠を誓え。さもないと…どうなると思う?

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「俺、ずーっと前から片思いしてる子がいるんだ」

「へぇ…初耳ですね」

「更に言うと、その子のこと、求めて止まないくらい大好きで大好きで仕方が無いほど愛してる」

「はあ…随分と情熱的な恋のようで」

「いやいやいや。恋なんてそんな可愛いもんじゃなくて、もっとドロドロした気持ちなんだよ。その子を誰にも取られないよう拉致して軟禁監禁するくらい呼吸するのと同じくらい自然にできるし、あの瞳に俺以外映したくないって思ったこともある。映ったやつは片っ端から消してやりたいなーって思うくらい真っ暗で汚く歪んだ愛なんだ」

「まあ…月並みですが、綺麗なだけの愛なんて本気の愛ではないとも言いますからね」

「そうそう。俺の愛は本物だから、ちょっと世間一般の標準とか普通よりは暗く淀んだ歪な愛なんだよね。でもその子が俺を愛してくれるっていうなら、そして望むなら、平和的かつ博愛主義に基づいた綺麗な綺麗な愛を繕ってやってもいいと思ってる。本当なら絶対誰にも取られないように縛って閉じ込めて、俺以外のことなんて考えさせないよう、調教なり薬漬けにでもしたいんだけど、その子は、多分そういった刺激的な束縛を嫌がるだろうからさ。その子が嫌だって言うなら、優しい優しい俺は我慢して、多少の手加減くらいしてあげてもいいかなーって」

「へぇ…お優しいんですね」

「そ。俺って愛の伝道師だから、基本的に好きな子には優しいんだよね、基本的には。でもねー、普段は温厚でとびっきり優しい俺でも、本気で惚れてる相手が誰かのものになったり浮気なんてされちゃったりした日には、もう自分でも何するか分かんないだよね。泣こうが喚こうが、俺の好きにさせてもらう。具体的に言うと、そうだね……、俺に愛を誓うって言うまで、声が枯れようが気絶しようが啼かせて喘がせて心も身体も躾けてやるよって気分」

「わあ…それはまた、過激な愛情表現で」

「だってー。それくらいしないと俺の愛を理解してくれなさそうなんだもん。恐らく言葉だけじゃあちっとも理解しないだろうから、徹底的に身体に教え込んだ方が効率いいんだよ」

「ええと…でもそれ、犯罪っぽいような気がしますが?」

「うん、いいところに気づいたね。実はそうなんだ。俺が本能のままにその子を愛したら、片手じゃ足りなくなるくらいの法に触れるだろうね。ま、バレないよう裏工作くらいはするけどさ」

「うーん…とりあえず、犯罪はだめですよ」

「俺を犯罪者になんかしたくない?なら話は早い。協力してくれ、帝人君。俺と愛し合おう。君が愛してくれるなら…君が俺の愛を受け入れてくれるなら、なーんにも犯罪ちっくなことしないよ」

「それは…何だか、愛の告白というより脅しって言いません?」

「何でもいいだろ。とにかく俺を犯罪者にしたく無かったなら、俺を愛してよ。見返りは、素敵で無敵な俺の超特大な愛。誰より何より君だけを深く永く想い続けるっていう、長期完全保障の愛。それを君だけに捧げるから、君も俺に特大の愛を注いでほしい。そしたら俺は失恋の痛手から犯罪めいた行為に走らなくてすむし、君も縛られたり閉じ込められたりしなくていい。俺は初恋は実らないなんて不愉快なジンクスを嘘っぱちだって証明できるし、君も一生モノの愛を手に入れられる。ど?悪くないでしょ。全ては君が俺を、俺だけを愛してくれれば叶うんだよ?」

「あー…とても魅力的なお誘いですが」

「が?」

ぎろり、と、臨也の狂気が滲み出る赤い目が光ったような気がした。帝人はその鮮烈で苛烈な感情がこもった目を見返して、いまここで臨也さんの愛を受け取らなかったらどうなるんだろう……?と、少しばかりの好奇心が疼くのを抑えて、一呼吸置いた。(狂ったようなあの目に見つめられるのは好きだ。)(でも、ここで返答を間違えたら今すぐにでも、彼が後ろ手に握っているナイフが僕を切り裂くんだろうな。) そう冷静に理解していた帝人は、臨也を焦らさないよう、赤い目を見据えながら、彼の望む答えを、求められている言葉を、惜しみなく吐き出した。

「同じ言葉、そっくりそのままお返してもいいですか?」

「……んー、どういう意味かな、それは」

「分かりませんか?臨也さん同様、僕だってあなたが欲しい、という意味ですよ。僕だって、あなたを誰にも渡したくない。手に入れたいんです。奪われるくらいなら、いっそ何処か人の目に触れない場所に囲ってしまいたくなるほどに。誰に泣いて懇願されたって、あなたを渡したくない。独占欲ってやつですかね。もしあなたの心を占めるものが他に在るなら、全部残らず消してしまいたい。もしあなたが誰かのものになっちゃうなんてことがあれば、きっと僕は日々を泣き暮らすでしょう。そしてその内、あなたを求めるあまりに犯罪めいた行為にも手を染めるかもしれません。その体に僕の愛の証を刻みつけて、ずっとずっと僕だけを想うよう、あらゆる手を使い尽くします。あらゆる手を使って、思わず手酷く躾けてしまうかもしれませんね。僕の傍からいなくなるなんて、耐えられません。許せないです。だから思わず、法外な行動に出ちゃうことがあるかもしれません。………――というわけで、臨也さん。恋に身をやつすいたいけな高校生に罪を犯させたくないなら、取引しませんか?僕を愛して下さい。誰よりも、激しく、強く、深く、永く。そうすれば僕は満たされて、あなたを穏やかな気持ちで想い続けることができます」

「……わぁお。珍しく情熱的な言葉。もしかして俺って口説かれたのかな。惚れ直した。ついでに何だか無性にシたくなっちゃったから、抱いていい?嫌だって言われても手遅れだけど」

「構いませんよ。じゃあ、僕もあなたに触りたくなっっちゃったので、キスしていいですか?もう手遅れですけど」

いきなり奪われた唇をぺろりと一舐めして、臨也が熱っぽく狂気のこもった情熱的な視線を帝人に送れば、彼は再び劣情をそそるように口付けを仕掛け、呼吸ごと奪った。
相変わらず無邪気っぽく見えるだけの可愛らしい顔で笑っている帝人に見惚れ、臨也も、貪るようにそれに応えた。それの繰り返し。めでたし、めでたし。二人の歪んだ恋の物語は、幸せに終わったおとぎばなしのように、二人だけに都合の良い、明るく後味の良いハッピーエンドを迎えた。












(その後、二人は誰に何を言われようと、何が起ころうとも、誰を犠牲にしてでも、)

(いつまでもいつまでも、)

(二人だけは)

(しあわせにくらしていきました。   お し ま い )