池袋のとある洋菓子店~土曜日~
「せっんぱーい!遊びに来ましたよ!」
とある土曜日、それは嵐のようにやってきた
池袋のとある洋菓子店~土曜日~
「青葉くん……」
「先輩今日和!今日も先輩は素敵ですね」
僕より幼いと言える顔で笑顔を向けてくる彼
黒沼青葉くん学校の後輩だ
青葉くんと初めて会ったのは最近だが
それ以来何だか懐かれている
後輩に懐かれるのは嬉しい事なんだろうが
青葉くんからは少しあのうざい情報屋と同じ雰囲気を感じる
まれにとてつもなく鬱陶しいのだ
それはもうボールペンで刺したくなるほどに……
「先輩、どうかしましたか?」
「いやっなんでもないよ」
「今日はこのケーキを4つ下さい!」
「かしこまりました」
僕がケーキを箱に移してる間も青葉くんは僕の事をじーっと見ている
「何かな青葉くん?」
「いえ!今日も先輩は可愛いなと思って」
可愛いって……
はぁ……
何なんだろこの子は
学校ではここまで変な事言わないのに
学外で会うと絡んでくるんだよな
「……………」
「無視ですか!?」
考え込んでいたら返事を忘れていたようで
青葉くんはうなだれていた
「1400円になります」
「はい……」
「ありがとうございました」
「あの先輩!今週の日曜日ってか明日暇ですか?」
「明日?」
「はい、良ければ遊びに行きませんか?」
「ごめん無理」
明日は静雄さんと出掛ける日だし
「えー!何でですか?デートですか?」
「えっ!」
デート!
いや、確かにデートだけど……
改めてそう言われると恥ずかしいものを感じる
「ちっ先輩にそんな相手がいたのか」
「何か言った?」
「いえ!なんでもありません」
なんだか舌打ちが聞こえたような
気のせいかな?
「先輩付き合ってる人がいたんですね」
「いやっあのっ」
「先輩真っ赤ですよ~」
「青葉くん!」
「今日はこれで帰ります。今度は俺とも遊んで下さいね~」
「ちょっと!」
僕はまだ顔の熱が引いていない
年下にからかわれた
情けない……
「青葉くんって悪い子じゃないと思うんだけど、最近違和感を感じるんだよな。なんだろう?」
まぁいつかわかるだろうしいっか
そんなこんなの疑問が残る土曜日でした
End
*****
先輩にデートするような相手がいたなんて!
可愛い後輩の立場で甘んじていたが、これは問題だ!
先輩を弄んでる相手から助けないと!
「先輩は俺のものだ!!」
*****
作品名:池袋のとある洋菓子店~土曜日~ 作家名:神郷