池袋のとある洋菓子店~日曜日~
とある日曜日、今日はお店がお休みです
池袋のとある洋菓子店~日曜日~
なので静雄さんと2人でお出かけをしています
「天気晴れて良かったですね!」
「そうだな」
今日は他の店の調査も兼ねて
ケーキ屋さん巡りをしようってことになった
静雄さんもパティシエをやってるだけあって
かなりの甘党だから何だか心なしか嬉しそうに見える
「今日は2つ3つくらい巡るんでしたっけ?」
「あぁ、取り敢えずな。その後の事は店で追い追い決めていこう」
「はい!」
そして1つ目の店に着き僕らはケーキを食べた
「やっぱり話題になるだけあって上手かったな」
「はい、クリームが独特でしたね!……でも」
確かに美味しかった
良い素材を使っていて、その味を引き出していた
「でも?」
「僕は静雄さんの作ったケーキの方が美味しいと思います」
静雄さんの作ったケーキに出会ってからは
他のどんな有名店のケーキを食べても物足りない感じになる
それ程までに静雄さんの作ったケーキは美味しいのだ
「そうか、ありがとな」
静雄さんは笑いながら僕の頭を撫でてくれた
「また次の休みは一緒にケーキでも作るか」
「良いんですか?」
「あぁ」
「楽しみにしてますね!」
静雄さんと一緒にケーキ作り!
楽しみだな……
「じゃあ次の店に行くか」
「はい!」
本当に楽しい休日
静雄さんに撫でられて
静雄さんと次の休みの約束をして
静雄と一緒にいる
そんな贅沢な時間が夜まで続くと思っていた
なのに……
なのに……
なんでこうなった!
「いーざーやーくーん、帝人に近付くなって何回言ったらわかんだよ!」
「やだなシズちゃん、僕が君の言うことなんて聞くわけないだろ?それに帝人くんは君のじゃあないんだから君にそんなことを言われる筋合いはないよ。シズちゃんこそ帝人くんから離れなよ」
次の店へと移動していたら
いきなり臨也さんが現れたのだ
せっかくの静雄さんとのデートなのに……
それをわかってて現れるんだから本当に腹が立つ
「帝人くん、眉間にしわが寄ってるよ。まぁ帝人くんはどんな顔でも可愛いけどね!」
そう言いながら臨也さんは僕の眉間を指でグリグリする
うざい……
「てめぇ、帝人に触ってんじゃねぇよ!このノミ虫!」
「黙りなよシズちゃ「黙るのは貴方ですよ臨也さん」……ん」
僕は段々イライラしてきて鞄に入れてたボールペンを取り出し
僕の肩に置いていた臨也さんの手に向けた
「帝人く「刺しますよ?」スミマセン」
まだ何か話そうとした臨也さんの手にそっとボールペンの芯を押し付けると
次は素直に謝ってきた
「臨也さん、僕は静雄さんとお出かけ中なんです」
「はい……」
「邪魔しないで下さい。うざいです」
「…………」
「臨也さん?」
「ごめんなさい」
「静雄さんもいちいち臨也さんに絡まないで下さい。僕とデートの途中なんですから」
「あっあぁ、すまなかった」
「臨也さん、僕の前で静雄さんと喧嘩したら1ヶ月程無視しますから」
「えぇ!」
「何か?」
「いえ、なんでもありません」
臨也さんは反論しようとしてきたが一切無視!
僕と静雄さんの時間を邪魔したんだからこれくらい当たり前だ
「じゃあ静雄さん行きましょうか」
「おう」
戸惑う静雄さんの手を引き僕は歩き出す
後ろで臨也さんが何か言ってる様だが知らんぷりだ
本当にあの人はうざいな……
そんなこんなのちょっとうざい邪魔が入ってしまった日曜日だった
「ちっ……僕は諦めないよ帝人くん!帝人くんラブ!」
End
作品名:池袋のとある洋菓子店~日曜日~ 作家名:神郷