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覇十の日!

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「姉様……好きです」
「ん、覇王、ちょっと待って――」
 制止の言葉を口で塞いで、覇王はうっすらと笑みを浮かべた。急な事に目を丸くしている十代にしなだれかかり、首筋に顔を埋めた。
「覇王はずっと姉様のお側にいます。永遠に姉様のもの。だから姉様も……」
「だから、ちょっとま、あっ」
 一瞬走った甘い痛みに顔をゆがめて、十代は片腕を上げた。片手を床に付いたまま覇王の肩をつかんで、そっと押し返す。華奢な身体は大人しく従って、ぽつんと寂しげな声が漏れた。
「お嫌ですか」
「嫌、じゃないんだけど、ん……もう少し、ゆっくり、な」
 納得させるように笑いかけると、曇っていた表情が一気に晴れる。うっとりと瞳を潤ませて、覇王はゆるく息を吐いた。
「姉様……」
「分かったなら――」
「無理です」
「ちょ、覇王っ、んぅ」
 即座の否定に戸惑った十代の唇を奪って、覇王は舌を差し入れた。呼吸すらも奪うように深く口付けると、思うままに蹂躙する。顔を離すと唾液が糸をひいて、それを舐め取り口を開いた。
「もう待てません」
「やっ、覇王、そこはっ、ぁ」
 着物の合わせ目から手を差し入れると、たゆんとした胸を持ち上げる。真っ白く盛り上がった肌を唇で赤く彩りながら、覇王は口説くように言葉を続けた。
「姉様に触れたくて仕方ないんです。姉様が欲しくて、止まりません」
「だめだ、って、やぁ、さわるな、あぅっ」
 愛おしむように先端をつつかれて、十代は嬌声を上げる。落ち着く間もなく身体に熱が溜まって、神経を焼き切りそうだった。
「とても綺麗です、姉様。綺麗で、いやらしい……」
「ひ、やめっ、あぁ、も――」
 理性が途切れそうになる直前、ぴたりと刺激が止まる。急に倒れかかってきた覇王の身体を受け止ると、一体何が起きたのかと呼びかけた。
「――覇王?」
 しばらく沈黙の後、返ってきたのは微かな吐息。
「…………すぅ」
「寝たのか?」
 答えはやはり無言で、嫌な予感がしてくる。部屋で寝ていた彼女を起こそうとした矢先に抱きつかれて、そのまま今に至るわけだが。
「ひょっとして、寝ぼけてた……とか」
「ん……」
 明らかに不明瞭な言葉に、十代の力が抜ける。どうやら自分は彼女の寝相に振り回されていたらしい。
「勘弁してくれよ」
 ぼやいても聞く相手はなく、中途半端に疼く身体も慰めようもない。事態の元凶は肩に頭を乗せたまま、すやすやと寝息を立てて夢の中だ。
「……ね、さま……すき」
「あーオレも好きだぜー」
「……ふふ」
 投げやりに返せば微かに笑い声がして、ふにゃんと緩んだ表情は幸せそのもの。これでは起こす事も出来ないと諦めて、せめてもと耳元に言っておく。
「今日は寝かしてやらねえからな」
 返事がないのを了承と勝手に決め込んで、愛しい身体を抱き締めた。
作品名:覇十の日! 作家名:ましゅろ~