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デリカシーに欠ける

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※とても短い
※これはひどい















久々知にそんなつもりはなかった。
私用の火薬を取りにきた三木ヱ門がいつものように自分は火器にかけては学園ナンバーワンなどと言っていたので、お前はまだ四年生で火薬にかけては学園随一と言われる六年生の立花仙蔵の足元に及ぶとも思えない、といった意味の事を口に出しただけだった。ただそう思ったから口に出しただけだった。
予算委員会も近付き、連日の徹夜ですっかり精神の疲弊した三木ヱ門を泣かせたかった訳では決してなかった。
しかし久々知はいまいちデリカシーに欠ける男だったので、しゃくり声をあげて泣く三木ヱ門をただ困惑しながら見ているのだった。

(久々知と三木エ門)
作品名:デリカシーに欠ける 作家名:双谷二