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SSS

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先輩を釣るのも飽きた。
先輩は思った通りに動いてくれるから楽しいのだけれど、やはりその場その場の空気で釣りを楽しみたい。
そう…今日は珍しいのがいるんだった。
良太郎の体を乗っ取って、どこからか持ち込んだ真っ赤なソファーに寝る、白い、鳥。
今日の獲物はこいつにしよう。
僕は、イマジン体のいつも通りの顔の下で小さくほくそ笑んだで、コーヒーを啜るあいつの傍へ寄った。
「ねぇ、鳥……お前、僕に釣られてみる?」
「私が?お前に?」
ジークは、ソファーに沈めた状態を少し起こし、不思議そうな目で瞬きをしている。僕はその頬に手を添え、ソファーの端へ片膝を載せた。
「退屈でしょう? 僕が遊んであげるよ?」
言いながら、添えたのとは反対の手で白いファーを取り、現れた首筋へ手を滑らせる。
良太郎にした時はくすぐったいと少し笑われて終わったのだけど、中に入ってる者が違うと反応も違うらしい。ジークは、軽く目を伏た瞼を震わせた。何かを耐えるように。
「お前、いい反応するね。 良太郎の体じゃなかったらもっと遊んであげるのに。おしいね」
「な……何を言っている?」
困惑した顔で狭いソファーの奥へ体を逃がそうとするジークの腰へ手を回す。額がつきそうなほど顔を近づけて耳の裏にぴたりと唇を寄せる。
「釣りだよ、釣り。 お前、僕に釣られてみない?」
初めと同じ言葉を今度は低めの声で、ゆっくりと言う。
「私は、王子だぞ……」
本人はいつもと同じ様にしているつもりなのだろう。動揺で声が震えている。いつも先輩の単純な反応に慣れているせいか、こういう新鮮な反応が楽しくなってきた。
「僕はこのまま良太郎の体にしてもいいけど……」
どうする?と視線で問いかけた。

2009/07/31

作品名:SSS 作家名:ツムラ