独占欲 『おもい』
一汁三菜の地味な膳のものを、いつものようにおいしそうに食べる君を見て、僕は無性に腹が立った。
腹が立ったので、向かいで上機嫌の君を置いて僕は席を立ち、自室に戻ると鍵をかけた。
灯りももちろん点けたりしない。こうしないと君は僕の機嫌なんて考えずに追ってきて、僕の神経を逆なでするんだ。
君が逆なでしようなんて思っていないことは十分知っているよ。でも だめ。
僕は長持ちに寄り掛かってずるずると床に座り込んだ。
あぁ、イライラするイライラするイライラする。
さっきの夕飯の味噌汁の具がかぼちゃで、僕はそういうのが嫌いなのに、
「うわぁ、かぼちゃだぁ」
って君の、見たこともないような嬉しそうな顔。
『どうしてそんなものにそんな顔をするの』
『僕が嫌いなもの、好きだなんて言わないで』
『僕と同じものを好きでいてよ』
そんなことを考えていたら、結局自分に一番イライラしたよ。
小さい女の子みたい
恥ずかしいね