二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

配管工はマリオネット

INDEX|1ページ/1ページ|

 
プライヤーたちは秋もせず今日もそれを走らせる。指で体でそれを操りもてあそび、人間に対する仕打ちとは思えない苦しみの災厄に突き落とす。その努力の体かには、その配管工は何も得ることはない。一度助けてもまたリセットされてしまうからだ。何度も何度もやったことをなかったことにされる。それが彼の苦しみだ。それが彼の、死よりも辛い生存様式だ。
 僕はひたすら操作する。
 僕はひたすら操作する。
 赤い帽子とオーバーオールが特徴的な配管工は今日も誘拐の被害にあうセキュリティのかけらもない一国の姫を助けに行く。厳密に言うと、「助けに行かされる」である。
 今日もファミコンやWiiの前には大人やら子供やらさまざまなプレイヤーたちが座り、怠惰な配管工を動かして哀れな雑魚キャラたちを踏ませる。そして棘の上を、谷の上を、ひたすら配管工は飛び越えていく。大きな怪獣と見まがう異形の亀が人の言葉を話す。それにひるんではいけない。それは外の世界の住民からは「当たり前」なのだ。
 僕はひたすら操作する。
 僕はひたすら操作する。
 地獄の炎が燃え盛ろうと、大海に服を着たまま飛び込もうと、雪の中で足を滑らせようと、彼には何のリターンもなく。

 それでも彼は笑顔でいなければならない。