配管工はマリオネット
僕はひたすら操作する。
僕はひたすら操作する。
赤い帽子とオーバーオールが特徴的な配管工は今日も誘拐の被害にあうセキュリティのかけらもない一国の姫を助けに行く。厳密に言うと、「助けに行かされる」である。
今日もファミコンやWiiの前には大人やら子供やらさまざまなプレイヤーたちが座り、怠惰な配管工を動かして哀れな雑魚キャラたちを踏ませる。そして棘の上を、谷の上を、ひたすら配管工は飛び越えていく。大きな怪獣と見まがう異形の亀が人の言葉を話す。それにひるんではいけない。それは外の世界の住民からは「当たり前」なのだ。
僕はひたすら操作する。
僕はひたすら操作する。
地獄の炎が燃え盛ろうと、大海に服を着たまま飛び込もうと、雪の中で足を滑らせようと、彼には何のリターンもなく。
それでも彼は笑顔でいなければならない。
作品名:配管工はマリオネット 作家名:フレンドボーイ42