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学園パロディ

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「っだー!!全然わかんねぇ!!」
クラウは頭を抱えて机につっぷした。
定期テストまで日にちが迫り、放課後同級生に頼んで勉強を教わっているのだが、どうもはかどらない。
教えての同級生はそんなクラウを冷ややかな目で見る。いつも冷たい目をしているが、このたびのクラウを見る目は少し哀れみが入っている気がして、クラウは気に食わない。
「・・・この問題が取れなければ、赤点すれすれラインですよ」
ミラン・フロワードは言う。勉強するときだけつけている眼鏡が嫌みなほど似合ってる。
学年トップのミランに学年ビリのクラウ。二人は出会った時から仲が悪かったが、こうして机を並べているのには理由がある。
ガラガラと扉をひく音が、夕方の教室に響いた。二人しかいない教室の中に、二人の良く知る人物が入ってくる。
「クラウ、ミラン。どうだ?はかどっているか?」
「会長」
シオン・アスタールは爽やかな笑顔を浮かべて上級生二人に言う。クラウはシオンから目を反らし、ミランは立ち上がり一礼する。
対照的な二人に苦笑する。二人の近くまでゆくと、クラウのノートをのぞき込む。
「×ばっかりじゃないか・・・おいおい、次のテスト、赤点取ったらお前生徒会メンバー外されるぞ」
「わぁってるって」
クラウはふんぞり返って開き直る。
クラウとミランは共に生徒会役員で、会長であるシオンの補佐を務める。クラウとシオンは昔からのつきあいで、それを見越した教師達から、次クラウの成績が悪かったら生徒会の予算を削り、その上クラウをメンバーから除外すると、シオンに伝えられた。
ちなみにクラウに直接言わなかった理由は、欠席が多すぎて捕まらなかったからである。
「お前、出席日数もそろそろまずいだろ?しばらく真面目にしてろ」
シオンにそこまで言われてしまい、クラウは降参して真面目に勉強を始めた。しかし欠席が多かったのでまともにノートもとっていない。頭を抱えたシオンがクラウと同級生のミランに勉強を教えてくれるよう頼んだのは自然な流れだった。
生徒会室にミランを呼んで、事情を話す。
二人が仲の悪いことを知っているシオンは、ミランが引き受けてくれるか分からなかったが、ミランは快諾した。
「会長のお頼みとあれば、なんなりと」
いっこうに座ろうとせず結局ずっとたったままで恭しく礼をする上級生に、シオンは「頼むよ」と言った。

「ミラン、クラウはどうだ?」
「おいシオン何でそれこいつに聞くんだ」
二人はクラウを無視して話をする。
「そうですね・・・このまま勉強を続けていけば、なんとかなります。何とかさせます」
「それは頼もしい。悪いな、お前も勉強あるだろ?」
「私は問題ありません。お任せ下さい」
立ったまま話をする二人に、ふんぞり返って座ったままのクラウは「けっ」と悪態をついた。


結局、クラウのテストの結果はミランからしたらまぁまぁで、クラウからしたら上出来だった。これで生徒会の予算が確保できたと喜ぶシオンとカルネに、クラウが怒ったのは前生徒周知の事実である。
作品名:学園パロディ 作家名:ハクヨウ