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おれのこいぬとサッカーを、

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『まもゆ、まもゆ』
「あはは、くすぐったいぞヒロト」
『すき、すき、だいすき!』
「わかったわかった!今起きるって!」
ヒロトはベッドに寝転がった守の胸の上に乗っかって、主人の顎や頬や鼻先をペロペロと舐めた。
守はくすぐったそうに体を揺らし、まだ小さなヒロトは危うく守の上から落ちそうになった。
ヒロトの白い毛並みを撫でながら守はベッドに座り、あぐらをかいた膝の間にヒロトを入れた。
『まもゆ、まもゆ。すき、すき!抱っこして!舐めさせて!!』
ヒロトは自分のご主人様の守が大好きだった。好きで好きでたまらなくて、この溢れる気持ちをなんとかして伝えたかった。
だからヒロトは隙を見つけては守の顔を嫌というほど舐め回した。
それ以外に気持ちを伝える方法がヒロトにはなかったからで、もしもっといい方法があるならば、もちろんヒロトはそうしただろう。
「ちょっと着替えるだけだからおとなしくしてろよ~」
なんとかして守の体を登ろうと前脚を腹や脇腹に乗せてくるヒロトを、守は抱き上げて床に下ろした。
「くぅ~ん…」
そうなるとまだ子犬のヒロトには、自力でベッドに登ることはできない。
ヒロトは悲しくて鼻をひくひくさせて鳴いた。
「よしよし、すぐだから待ってろよ…」
守はパジャマを脱いでシャツを頭からかぶって、腕を通す場所に頭を通そうとしてこんがらがっていた。
「うん…?あれ?おかしいな…頭が出ない…あれ?」
「わんわん!わんわん!」
ヒロトはベッドの周りを飛び跳ねるように走り回りながら、着替えにてこずる守を必死に応援した。
手伝うことができないのが悲しかったが、犬には涙が流せないので只々吠えるしかなかった。
「よし、通ったぞ!おれのバンダナは…っと」
守がキョロキョロと部屋を見回す。
「わん!わんわん!わんわん!」
すぐさまヒロトは勉強机の前に行き力いっぱい吠えた。
「あ、あった!お手柄だな、ヒロト!」
守はベッドから立ち上がって机の上のバンダナを取って、足にまとわりつくヒロトの頭をわしゃわしゃと撫でた。
ヒロトは嬉しすぎてもらしてしまいそうになったが、“守の子犬”になってもう5日。なんとか興奮によるおもらしを我慢する方法がわかってきていた。
『まもゆ、まもゆ!おれなんでもするからね!まもゆのためならなんでもできるからね!』
わんわんと嬉しそうに吠えるヒロトを抱き上げて守は鼻先をぎゅっと押しつけた。
ヒロトは嬉しくて守の顔がびちゃびちゃになるほど舐めた。
「あはは!よし、サッカーの特訓ついでに散歩するか!」
『うん!』
ヒロトは元気よくわん!と一声吠えた。