二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

冷たい手番外編

INDEX|1ページ/1ページ|

 
「冷たい手」番外編



最近、暑くなってきたからか、冷凍庫には、常にアイスが入っている。

「マスター、アイス食べませんか?」
「食べるー。ありがとう、カイト」

俺は、持ってきたカップのアイスを、一つマスターに渡した。

別段、俺は食べたいわけではないのだが、俺が食べないと、なぜかマスターが食べてくれない。
だから、必然的に、一緒に食べることになる。

マスターは、にこにこしながら、アイスをスプーンですくって、口に入れた。

マスターの、食べている時の顔が好きだ。
にこにこ笑って、幸せそうな顔をしている。

マスターの笑っている顔が見たいから、俺は、一緒にアイスを食べる。

「カイト、あーんして」

顔を上げると、マスターが、アイスの乗ったスプーンを差し出していた。

「マスター?」
「あーんして。口開けて、カイト」
「はあ」

口を開けると、マスターがスプーンを入れてくる。
舌の上でとろける、バニラの甘さ。

「美味しい?」
「はい」

マスターが、嬉しそうに笑ってくれた。
それだけで、このアイスが好きになれそうだ。

俺は、自分のアイスをスプーンですくうと、マスターに差し出す。

「マスター、どうぞ」
「あーん」

マスターは、スプーンをくわえた後、くすくすと笑って、

「美味しいね、カイト」
「はい、マスター」

マスターに、もっと笑って欲しくて、アイスの乗ったスプーンを差し出した。
マスターも、アイスをすくって、スプーンを差し出してくる。

「はい、あーん」
「あーん」

お互いに食べさせ合うアイスは、いつもとは一味違う気がして。
俺は、もっとアイスのことが好きになれそうだった。



終わり
作品名:冷たい手番外編 作家名:シャオ