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輝ける世界

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伝説は、間違っていなかった。俺が幼い頃から想いを馳せてきた、遠い故郷の祖先たちは嘘をついていなかった。帰ってきた地球は、俺にとって確かに、新しい世界になっていたからだ。白い心と天馬の翼を持つ者によって開かれた世界。信じてきたもの・目指してきたものが崩れ去った中で、唯一正しかったのがそれだった。全部が全部、間違っていたわけじゃなかった。そのことは俺の心を、少しだけ軽くした。
「ヘリオス!」
銀河。こんなに眩しい笑顔を向けてくる人間を、俺は今まで知らなかった。銀河には既に多くの仲間がいて、銀河が笑顔になれば、俺と敵対していた奴らも皆、俺を許し、親しみのこもった眼差しを向けてきた。ロクでもないブレーダーばかりだと思っていたのに、銀河と話したりバトルしたりする彼らを見ているうちに、そんな思いはすぐに消えた。本当に、別世界のようだ。銀河が俺のすべてを変えた。
「ヘリオス、勝負しようぜ! 今度は世界とか復讐とか、そういうの全部抜きにして、俺とおまえと、俺たちのベイだけで! ……大丈夫だって、もうあんなことにはならないさ。隕石はもう無いし、おまえはソルブレイズを信じてるだろ?」
陽を浴びて、俺の手の中のソルブレイズが光る。ソルブレイズを手にしてからの時間は長くないが、こいつは不思議と俺の手に馴染んだ。まるで俺の手にぴったりあつらえて作ったように。かつて一つの文明を滅ぼしたとは思えないほど、その輝きは今、穏やかだ。
「ああ。――銀河」
銀河の真っ直ぐな言葉が、気持ちが、心地よい。こんなに尊いものが世界に存在していたなんて。眩しくて、透き通っている。俺は目を細めた。
新しい世界で、俺は新しく信じるものを見つける。この手にあるベイと、――銀河、おまえを信じてもいいだろうか。
作品名:輝ける世界 作家名:ひょっこ