以心伝心
「ん?ああ、そうだね」
カタカタカタと臨也さんの手元のキーボードが音をならす。
先ほど僕が言ったとおり、今の天気は雨が凄い。
そしてまだ遠いけど雷が鳴っている。
ここは臨也さんの仕事場だ。
パソコンに向かっている臨也さんとソファでクッションを抱いている僕。
「……雷落ちたらパソコン、ヤバイですよ」
「うーん、分かってるけどもう少…、あ、帝人くんもしかして」
手が止まる臨也さん。
……なんですか。
「分かった、雷怖いんでしょ?」
「!!?」
パソコンを閉じて僕の方にやってくる臨也さん。
「は、え、いやいや何言ってるんですか!!」
ジリジリと臨也さんが迫ってくるけど僕の後ろはソファだ、逃げ場はない。
うああ恥ずかしい!っと思って目を瞑ったら、横に気配を感じた。
そっと目を開けたら、ぐいっと頭をひかれた。
「う、え、あ、臨也さん?」
クスクスと笑いながら臨也さんは僕の頭を抱えている状態。
「大丈夫、ここにいるよ」
……僕の気持ちバレバレじゃないか…。