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ナターリヤさんが家出してきました。

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第5話



■前回までのあらすじ■

見てませんからね・・・ほんのちょっとしか見てませんから!!
明日は二人で買い物に行きましょうか。おやすみなさい、ナターリヤさん。
・・・・・・意外とやわらかいとか・・・思ってませんよ。思ってませんってば。


ずっと、居場所を探していた。
自分の帰る場所。自分を必要としてくれる場所。
そこはきっと暖かくて、安心できるような。そんな場所。
私にもあるのだろうか、そんな居場所が。

「おやすみなさい。ナターリヤさん。」
本田はナターリヤを布団に寝かせると、自室に戻って自分も横になった。
(今日は大変な一日でしたね・・・・。彼女といると疲れます・・・でも。)
本田は布団に入るとゆっくりと眠りに落ちていった。



ナターリヤは真夜中に目を覚ました。
自分がどこで寝ているかわからず飛び起きて周りを見渡す。
(本田が・・・ここまで運んでくれたのか・・・?)
ゆっくりと深呼吸する。
暗い部屋が自分を圧迫してくる。

「兄さん、姉さん!!怖い。怖い。暗いのは怖いの!」
「大丈夫だよ、ナターリヤ。僕と姉さんがナターリヤが寝るまでついててあげるからね。」
「安心して寝ていいのよ。ナタちゃん。さあ、おやすみ。」

暗いところにいると昔のことを思い出した。なにもできない子供のころ。兄と姉の後ろに隠れて、暗闇を恐れていたころ。まだ、暗闇が苦手なのはなおっていない。1人は怖い。1人は寂しい。私はいつまでこんな弱いままなのだろう。誰かのぬくもりを求めてばかり。
「・・・1人にしないで・・・か。」
小さな自分が心の中で涙を流す。寂しがりで、怖がりで、1人が嫌いな子供の自分。ナターリヤは起き上がると本田の部屋に行った。
1人は嫌。1人は怖い。すやすやと眠る本田の布団の中にもぐりこむ。温かい。眠る本田をまじまじと見つめた。どうして兄さんはこいつを欲しがるのだろう。こんな風に、温かいからだろうか。さらさらの黒髪。黒い瞳。睫毛は女のように長い。自分でじじいと言いながら、見た目はナターリヤと同じくらいか、それより幼い。ふああと一つあくびをして、ナターリヤは眠りについた。温かなぬくもりを感じながら。

本田は寝ぼけまなこで寝がえりをうった。
ふにゃりとしたやわらかいものをさわったような気がして、少しずつ瞳を開く。
「・・・・・なたーりやさん・・・?」
「・・・ああ。本田。おはよう。」
目の前にあるナターリヤの顔を見て、本田はズザァアアアアアアと飛びのいた。いきなりのことで状況を把握できない。自分が服を着ていることにほっと息をついた。
(昨日、ナターリヤさんが家に来て、布団に運んだところまでは覚えているんですが・・・・)
「なっ、んでナターリヤさんが私の布団に・・・・!」
ナターリヤは少し言葉に迷って黙った。しかしすぐに思いついたように口を開く。
「・・・・・あったかそうだったから?」
「なんで疑問系なんですか・・・・その・・・・私、なにも・・・してませんよね・・・・?」
「覚えてないのか?あれだけさわっておいて。」
ナターリヤの言葉に本田はピシリと固まった。
(嫁入り前の女性に私はなんてことを・・・・!起きた時もなんかやわらかいものにさわったような気がしますし・・・・・・・!!!)
(あれだけ頭をなでておいて覚えてないのか・・・?もしかしたら寝ぼけながらなでてたのか・・・・?)
固まっていた本田は突然ハッとして下を向いた。
「ナターリヤさん!着物はだけてますから!!」
「?だってこれはお前が・・・・。」
「わ、私がやったんですかぁああああああああ!!!!」
(?昨日着付けてくれたことを忘れたのか・・・?)
正座で猛省している本田にナターリヤは首を傾げた。
(寝ぼけながら着物を脱がすなんて・・・覚えていないとはいえどんだけ色魔なんですか私は!!!)
ぐぅううとナターリヤのお腹が鳴る音がした。
「とりあえず腹が減った!朝ごはんだ!!」
「すいませんでしたナターリヤさん・・・色々・・・。すぐに朝ごはんの用意しますね。食べ終わったら出かけましょうか。」

朝ごはんを食べ終わると本田とナターリヤは家をでて買い物に出かけた。
「ぽちくん。お留守番よろしくおねがいしますね。」
「いってくるぞ、ぽちくん。」
「キャンキャン!!」