キランソウ
「やほー、竜の旦那!ちょっと散歩に連れてくよー。」
「a?」
「政宗様、・・・ッ猿飛!てめぇそこで何してやがる!」
「あ、右目の旦那ぁ。あんたの大将借りてくよ」
「ちょっと待て!うおぁ!?」
「政宗様!」
「大丈夫大丈夫。夕餉までには返すから。ほんじゃ、行ってきまぁす」
「猿飛、てめぇ、待て! 政宗様・・・!」
「で?何やってやがるこの人攫い。」
「んー?」
「ここはどこだ」
「どっかの野原」
「・・・」
「あ、これ可愛い」
「キランソウじゃねぇか」
「え?」
「キランソウだ。忍びの癖に草花の名前も知らないのか?」
「んー、おれが習ったのは違う名前だったんだよね」
「?」
「地獄の釜の蓋」
「・・・」
「墓とかに咲くからさぁ」
「ふぅん?」
「あと、これいい薬草なんだよねー。地獄の釜の蓋をふさぐくらいの薬効があるから地獄の釜の蓋」
「俺はそうは習わなかったがな・・・」
「へぇ?」
「で、何してやがる」
「ん?花束。はい」
「・・・」
「右目の旦那にでも煎じてもらいなよ。ちょっと胃の腑がやられてるんじゃない?」
「・・・これの花言葉を知ってるか」
「んー?花言葉には縁がないからねぇ」
「・・・そうか」
「じゃ、帰りますか。つきあわせてごめんねー」
「悪いと思ってる顔にゃみえねぇな」
「はは、ばれた?」
「・・・」
キランソウの花言葉・・・待っています