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ルージュの伝言

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「ルージュの伝言」


side:KAITO


駆け込んだのは、少し離れた公園。
夕暮れに染まる園内、奥まったベンチに、ぽつんと座る人影を見つけた。
俺が近づくと、ルカは不機嫌そうな顔を上げて、

「遅かったじゃない」
「掃除してたんだから、仕方ないじゃないか。あんなのマスターに見られたら、また大騒ぎになるよ」

俺の言葉に、ルカは唇を尖らせる。
鏡に残されていたルージュの文字と、同じ色。

「それで、今度は何?俺が何かした?」

ルカは答えず、ぽんぽんと隣を叩いた。
この状態では、何を言っても無駄だから、黙って隣に腰を下ろす。

「で?」

ルカは、正面を向いたまま、

「カイトは、メイコのこと好き?」


…はい?


「…どういう意味で?」
「別に、どうでも。【姉】として、とか」
「あー…そういう意味なら、うん。好きだよ」
「ミクは?」
「好きだよ」
「リンとレンは?」
「両方とも好きだよ。それがどうかs」

いきなり、ぐいっとマフラーを引っ張られた。
気がついたら、目の前にルカの顔がある。

「でも、私の方が好きでしょ?」


……………。


「最近のカイトは、【兄】としての役割に気を取られすぎ。私のことだって、【妹】みたいに扱って…」
「…ごめん」

ルカの体に腕をまわして、抱き寄せた。
今すぐ触れられそうな、ルージュの唇。

「私は、カイトの妹じゃない、でしょ?」
「…うん。ごめん」

ほんの少し、体を彼女の方に傾ける。

「好きだよ、ルカ」



終わり
作品名:ルージュの伝言 作家名:シャオ