少女アリスは恋をする
あたしたちはたくさん年が離れてて、先生と生徒なんて身分もたくさん離れてる。
それでもいいよと先生なら言うかもしれないけれど、考えるだけでその可能性はあまりに
低い。
先生、あたし先生のことが好きなんだよ。
課外授業で手を挙げながら、いっそこの場で発表しちゃえばどんなに楽かと思った。
勿論本当にはしないけど。
そして、この場所に同じ理由でいる子は何人いるんだろうと思ってただただ途方に暮れ
た。
先生はあたしの答えに笑う――そうですね、よくできました。
あたしの恋愛にもそんな簡単に二重丸をくれたらいいのに。
そしてその笑顔をあたしだけに向けてくれたら最高なのに。
「先生は、年の差の恋愛ってどう思いますか?」
解散、の一言で皆が散り散りになった後、あたしは先生に聞いてみた。
先生は少し天然だけど、凄く頭のいい人だから、この質問一つでぜんぶ分かっちゃうかも
しれないな。
思ったけれど後の祭り。
でも後悔はしていなかった。
「…先生は、賛成です。」
予想外の答えにびっくりしてたら、ぽんぽんと頭に手を乗せられた。
素敵なことだと思うよ、なんて言葉にあたしは涙ぐむ。
「だって先生、今年下の子に恋してるんだ。」
そう言った先生の顔は真っ赤で、顔は真面目にあたしの両目を射抜いてた。
――ああ先生、あたし期待しちゃってもいいんですか。
あたしはとうとうぽろりと泣いた。
先生は困った顔をして、その涙を指で拭ってくれる。
「ああ、泣かないで…君の涙は見たくないです」
先生、あたし、先生のこと好きなんだよ。
今そう言ったら彼はどんな顔をするだろう。
さっきまで嫌われると思ったそれは、今なら喜ばれるような気がした。
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お題拝借!
評価が「好き」になりたてくらいかな!
ここからデートに誘われまくりの日々が始まるのだ\(^///^)/
作品名:少女アリスは恋をする 作家名:圷座