ぬこ救出作戦!
「ヤだよ、落ち込ませとけばいいじゃんカイトなんて」
「まあ、そう言わずにさあ。面白かったけど、クソジジイはちょっと言いすぎだよ、レンくん」
「だって…!!」
「びっくりしちゃったんだよね、カイト兄がいつもと違って、食いさがってきたから」
すぐに言い返すべきだったけれど、ムキになるとからかわれるし、気の利いたセリフが思いつかなかった。
「お兄ちゃん単純だからレンくんがフォローしてあげれば立ち直るからさあ、フォローしてあげてよっ」
「イヤだ、調子乗るから。うっとうしいもん」
「でも落ち込んでるおにいちゃんの方がうっとうしいよ」
それは否定できない。
結局レンは度量の広いところを見せることにした。
「お兄ちゃん…」
恐る恐るリビングの扉を開くと、しょんぼりしたカイトの頭をリンが撫でているところだった。
「レンくん…!」
レンを見つけたカイトが走りよってきた。
「ご、ごめんね…。俺、叱ることに夢中になってて、レンくんの気持ち、考えてなかった…!! お兄ちゃん失格だよね…」
先に謝られてしまって、レンは少し拍子抜けした。
「もういいよ、俺も悪かったし…」
「ホントに?? レンくん許してくれるの?」
ぱあっと顔を輝かせてカイトは笑った。目じりに少し涙まで浮かんでいる。ホントに単純だな…カイトは。
まあいいか。今回のことは水に流して忘れてあげることにしよう。
「ところでさあ、…」
カイトは目をクリクリさせて言った。
「やっぱりレンくんは蓋の上に飛び乗ったの?」
…………なんで蒸し返すんだろう。レンはまたイライラしてきて叫んだ。
「カイト死ねばいい!!」