二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

桜  〜別れ路〜

INDEX|11ページ/20ページ|

次のページ前のページ
 












「動かないで下さい!!」











千鶴は両手で小太刀を掴む。







裏口から外へ出て正面へ回り込んで来た。






気配のする出入り口の前へと飛び出した。











怖かったー






手が少し震えていたー








思わず目を瞑ってしまっていたー








でもー










「よお、千鶴?だよな」










ー え  ー









ぎゅっと瞑っていた瞳を開けるとそこにはー










「原田、さん・・・」







「千鶴ちゃん、俺もいるんだけど」







その横には






「永倉さんっ」







突然の事で千鶴は動揺を隠せなかった。







千鶴の手から小太刀が力なく落ちた。








「お二人共、どうして」









それもその筈。






千鶴の目の前には新撰組だった原田と永倉が居るのだから。







途中で、近藤さんとは途が違うと離脱した二人。







それから戦の混乱時で消息など一切不明だった。









ずっと気掛かりだった。








きっと、歳三もそうだった筈。











「ご無事だったんですねっ」








思わず瞳から涙が溢れ出す。








嬉しいのに涙が止まらない。








千鶴のは泣き笑いの様な顔になってしまう。








「おいおい、佐之千鶴ちゃん泣いちゃったぞ」





「お、俺に振るのか」







永倉と原田は笑う。







何にも変わっていない、昔と同じ笑顔。








「あの、中へどうぞ。此処じゃ、寒くて凍えてしまいます」







千鶴は二人を屋敷の中へと招き入れた。









作品名:桜  〜別れ路〜 作家名:桜月