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コピィウェア

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「ねねね、セルティ」
夜中、パソコンの画面を覗き込んでいた新羅に、今日の新聞を読んでいたセルティは立ち上がった。ちなみに帝人は自室にてすでに夢の中だ。子どもには早寝早起きの規則正しい生活をさせたい。
『なんだ新羅』
「これ見てよ!」
新羅が開いていたページを後ろからセルティも見てみる。
『こ、これは…!』
それから新羅が提案したことに、セルティは一も二もなく頷いたのである。




あけて一週間後。岸谷家に一つのダンボール箱が届いた。玄関で宅急便のお兄さんから受け取った帝人は「何の荷物なんだろう?」と首を傾げた。
そこへ呼び出しもなく部屋にいた新羅がやってくる。
「新羅さん、荷物が届いていますよ」
「なになに~?」
帝人が持っていたダンボール箱の宛名を見た新羅の眼が輝いた。
「やっときたー!!」
セルティー!!と叫んだ新羅に、こちらも同じく依頼がなくて部屋にいたセルティがやってきた。
『どうした新羅』
「前にネットで頼んだ物が届いたんだ!」
『本当か?!』
新羅と同じように喜びを顕にしたセルティに、よっぽど二人が楽しみにしていたものなんだな、と帝人は微笑ましい気持ちになった。
ビリビリとガムテープを剥がす新羅に、『早くしろ!』と急かすセルティ。一体何が届いたのだろうと思っている帝人を、コイコイと新羅が手招きした。
「なんですか新羅さん?」
「帝人くん!…ジャーン!!」
自作の効果音とともに新羅が見せたものに、帝人は一瞬固まった。
『可愛いだろう帝人!』
「これを帝人くんが着てくれたら、セルティが一緒にいても変じゃないよね。僕も白衣着たら大丈夫だし」
何が大丈夫だというのだろうか。
「あの……それって、」
『「聖辺ルリのコンサート衣装!」だ!』
正確には、聖辺ルリがコンサートで着た衣装の一つを模倣したもので、しかも子ども用に全てが小さくなっている。細部に渡って精密に作られており、小物も全て揃っている。
「それ、僕が着るんですか……?」
「そうだよ!帝人くん以外着れないし!」
確かにサイズ的に帝人以外が着るのは無理そうだ。しかし、いくら着る服に男女のこだわりが薄いとはいえ、コスプレをする趣味はない。しかもスカートの丈は恐ろしいくらい短いし、胸元はごく小さいチューブトップ。エプロンのような前掛けがあるが、はっきり言って布があるだけで何も隠せていない。白のニーソックスに頭に、付けるリボンカチューシャもある。
『さぁ帝人!着てくれ!』
力強くセルティにPDAを突き出され、しぶしぶ帝人はそれらを持って自室に引っ込んだ。




「帝人くんできたぁ~?」
コンコンコンコンコン
「わ、分かりましたからドアを連打ノックしないで下さい!」
ドアの向こうから帝人の声が聞こえてくる。
『帝人は恥ずかしがってるのか?あんなに可愛いんだ、似合うに決まってる!』
「セルティの言う通りだね!」
『早く帝人が着替えた姿が見たい!』
「僕もだよ!」
二人盛り上がっている闇夫婦の前で、カチャとドアが小さく開いて帝人が顔を出す。
「あの…」
『できたのか帝人!』
あえて顔だけ出していた帝人だったが、ガッとセルティがドアを全開にしたことによって、一瞬にして全身の姿が晒された。
『~ッ!!!可愛いそ帝人!』
ギュウと帝人を抱き締めたセルティに、新羅が満足そうに頷いている。
「やっぱり思った通りだよ~!」
『新羅の見立ては正しかった!』
「オークションのページを見た瞬間から決めてたんだ!」
元凶は新羅で、しかもこのコスプレ衣装はネットオークションで落札して手に入れたものらしい。
『よし!じゃあ街に出るぞ!』
「え?!さっきの本気だったんですか!?」
『本気と書いてマジと読む』
「ちょッ!新羅さん?!」
「僕も白衣取ってこよ~」
「ええー?!」
かくして首なしライダーと闇医者とミニ聖辺ルリの三人で出かけることになったのであった。
そして行くとこ行くとこ、必ず写真を頼まれることになる。




キキーッ!!
「おい渡草どうした?」
「(窓から外をガン見)」
「お、新羅とセルティじゃねぇか。そういや子ども引き取ったってこの間言ってたな」
「・・・・・・・俺の女神のミニ版が!?」
「あれ?ホントっすね。あれ聖辺ルリのコンサ衣装じゃないっすか」
「しかもロリバージョンとはやるよね!しかも着てる子超可愛いじゃん!」
「俺、写真撮ってくるわ」
「渡草さん俺も行くっす!!ツーショット撮ったげますよ」
「ゆまっち私も行く行くー!!」
「オイお前らー!!・・・・・・・・・・・・・・・・ハァ」

作品名:コピィウェア 作家名:はつき