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折原臨也は不機嫌だった。自然歩く足元は乱暴になり、無意識に眉を顰めたり。
それは、眠いのに予定より一時間も早く目覚めてしまったとか、二度寝をしたら上手く眠れないまま目覚ましが煩く鳴ったとか、朝食のトーストを不用意に焦がしてしまっただとか、着ようと思った服が仕舞っていたはずの場所から見つからないとか、そういう些細なことの重なりが始まりだった。
結局臨也は、眠気を引き摺ったままベッドから起き上がり、焦げたトーストは捨てて珈琲だけを飲み、そこら辺にあった服を着て外へでた。しかし重要な取引は後日に流れてしまい、趣味で弄んでいる女の子は予想以上につまらなかったし、会うつもりもなかった天敵に追い回され、臨也は更に不機嫌になった。
眉目秀麗を地で行く臨也は、不機嫌であってもその容姿が損なわれることはない。だがその内面は常に渦を巻くヘドロのようなものだった。自分の外面が良いことを自覚しながら、それを有効に利用するズル賢さ。人間の生態に興味があると言って憚らないその性質。
彼を見かけても関わるな、というのが池袋のアンダーグラウンドをちょっとでも齧った人間が口を揃えて言うことだ。
予想以上に精神的にも肉体的には疲労していた臨也は、さっさと帰ろうと近道をするために、一つ路地を曲がった。ビルとビルの間の細い道を通り抜け、人通りがほとんどない裏通りに出たところで、臨也は足を止めた。
成人しているだろう男と、大きなテディーベアを抱えた幼い少女。
一瞬で不穏な空気を感じ取った臨也は片眉を吊り上げた。
サイレンサー付きの拳銃が徐に取り出され少女に狙いを付ける。てくてくと歩いていた少女が不意に振り返った瞬間、弾は発射された。衝撃で軽く飛ばされながら少女がその場に倒れる。拳銃を持った男は臨也に気付いていたらしく、瞬時にこちらに大量の殺気をよこしてきた。いくら頭が回るといっても普通の人間。喧嘩人形とやりあってはいるが、それは相手が単純な思考回路を持っているためスキを付けやすい。さすがにプロを相手にするには力が及ばない。
ホールフォアップして他言しないことを現すと、途端に興味が失せたのか殺気が消える。同時にその姿も消えていた。
臨也は軽く冷や汗を拭うと、ふと倒れている少女に歩み寄った。殺し屋に狙われるというのはどんな子どもなのだろう。死体に興味はないが、顔くらいは拝んでおこうと軽い足取りで近づいた臨也の目の前で、ムクリと少女は起き上がった。
パタパタと服についた汚れを落とすと、テディベアも同じように払ってから抱えなおす。そのまま何事もなかったかのように歩き出そうとした少女に、臨也は声をかけた。
「ねぇ、きみ」
振り向いた少女は臨也を見て軽く首を傾げる。
「なんでしょうか?」
幼い声が疑問を投げつける。その稚さ、平静さ、臨也は知らず鳥肌が立った。恐怖や嫌悪ではない、純粋な歓喜によって。
「さっき撃たれたよね。なんで生きてるの?」
知りたい知りたい、この子どものことを知りたい。込み上げてくる感情を噛み締める。
「クマに当たったので」
「なにそのテディベア最強なの?」
マジマジと子どもを見下ろしながら、その手の中にあるテディベアを見る。
「ちょっと特殊仕様なので」
「ふぅ~ん、ちょっと貸して」
「いやです」
「ははは、言うと思った」
クルクルと回って笑う臨也を、少女は不思議そうに見上げている。
「殺し屋に狙われるなんて、尋常なことじゃないよね」
「まぁ、そうですね」
子どもらしい、ふっくらとした輪郭の中にある大きな瞳、淡いピンク色の唇。短めの前髪から覗く額は聡明そうで、真っ直ぐな黒髪は柔らかそうだ。
「きみの名前が知りたいな」
「調べてみたらいかがですか?」
――― 新宿の情報屋さん。
言われた台詞に、臨也は面白そうに目を見開いた。
「もう僕のことは知られているみたいだね!益々きみに興味が湧いたよ!」
通せんぼをするように立ちはだかった臨也に、少女は小さく溜め息を吐いた。
「そこをどいてください」
「いやだと言ったら?」
「通ります」
いつの間にか片手に持っていたスプレーを臨也に向けると発射した。反射的に避けたが、それは煙幕の役目を担っていたようで、一時的に視界が遮られる。
白い煙が晴れたときには、少女の姿はどこにもいなくなっていた。見事な消えっぷりだった。
「は、ははははははははははは!!!」
一人高笑いを繰り広げた臨也には、朝から続いていた不機嫌さなど微塵もなかった。今あるのは、ただただ少女への興味だけだった。




竜ヶ峰帝人、復活!

竜ヶ峰帝人『こんばんは~』
九十九屋真一『おぅ、よく来たな』
竜ヶ峰帝人『お久しぶりです。代理人ありがとうございます』
九十九屋真一『いやいや、こっちとらお前が一人前になるまでの繋ぎみたいなもんだからな』
竜ヶ峰帝人『なんならずっと続けてくださっても結構ですよ』
九十九屋真一『やめてくれ、俺はフリーなのが似合ってる』
竜ヶ峰帝人『僕もそう思いますよ』
竜ヶ峰帝人『そうそう、もうご存知かもしれませんが、今日は初めて新宿の情報屋さんを見ました』
九十九屋真一『そうか。それで、どうだった?』
竜ヶ峰帝人『どうって……う~ん、美形でしたねw』
九十九屋真一『感想がそれかよw』
竜ヶ峰帝人『でも興味もたれちゃったかもしれません』
九十九屋真一『そりゃあの状況であれだけのことすればな』
竜ヶ峰帝人『やっぱり知ってるじゃないですか~』
九十九屋真一『相手は腐っても情報屋だ、気を付けろよ』
竜ヶ峰帝人『もちろん、心得てます』
竜ヶ峰帝人『格好もアレだったんで多分誤解してますね、きっと』
九十九屋真一『いや…無用な忠告だったな』
竜ヶ峰帝人『いえいえ、ご心配ありがとうございます』
竜ヶ峰帝人『時間も遅いので、これで失礼しますね~』
九十九屋真一『おぅ、じゃあまたな』
竜ヶ峰帝人『おやすみなさい』

竜ヶ峰帝人、死亡確認!

九十九屋真一『おやすみ~、って一歩遅かったか』
九十九屋真一『俺は24時間いつでもこのチャットルームにいるぜ』

九十九屋真一のターン!
九十九屋真一のターン!
九十九屋真一のターン!
九十九屋真一のターン!
九十九屋真一のターン!
九十九屋真一のターン!

九十九屋真一のターン!

九十九屋真一のターン!

九十九屋真一のターン!







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帝人くんの持っているクマは防弾仕様で、お腹の中に色々収納できます。
でもって予想通りかもしれませんが、九十九屋真一さんが暫定的にダラーズの管理人をしてくれています。帝人くんの処理能力が追い付くまでの代理ですが。
作品名:エンカウンター I 作家名:はつき