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吉野ステラ
吉野ステラ
novelistID. 16030
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心に咲く花 (劇場版)

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とくんとくん
刹那の胸から心臓の音がした

あなたは前のように心を閉ざしてしまったと思ってた
でも違った
あなたはこんなにも あたたかい
こうして抱きしめて
抱きしめられて
初めて、気付いた

答えを探していたのね
迷っていたのね
いつだって満身創痍で
何でも背負おうとして

だけど忘れないで
みんなが側にいるから
一緒にいるから
忘れないで
刹那

あなたは私たちを未来に導いてくれようとする
けれど
私たちはあなたの幸せをも祈っているから



「ああ…わかっている」
いつのまにか大人になった彼の声
真っ直ぐ前しか見ていなかった彼が
周りを見るようになって
そして多くのものを背中に抱えて
守りながら戦うようになった

「フェルト、夢の中であの花を見た」
「え?」
「ロックオンが、リヒティが、クリスティナが俺を導いてくれた。
 そしてフェルトにもらったあの花が、俺の道を照らしてくれた」
「刹那…」
「フェルト、お前がくれた花は未来を照らす光だ」

ああ

「ありがとう フェルト」

ああ、刹那

「俺は、行く」

あああ…!

「分かり合うために」







そうして彼はすべてを受け入れて宇宙と一緒になった
億千の命に未来という希望を残して

彼の心のように大きな大きな花が宇宙に咲き
その光は今でも私たちを照らしてくれている

刹那、ありがとう
私の胸にも刹那がくれた美しい花がずっと咲いている
ずっとあなたを想っている
私の心はいつもあなたの側にいる
いつの日かあなたが還ってくるのを
ずっと
ずっと
待ってる … … …








フェルト…





刹那…?






おかえりなさい



私のかけがえのない 家族