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恋する悲観論者

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ふいにこの人を甘やかしたくて仕方なくなる。
優しい言葉を溢れる程かけて、触れているのが好きな貴方を甘えたいだけ甘えさせて。
顔中にくちびるを落として、くすぐったがる貴方を抱きしめて。

だけど、本当はこの人は、自分からの甘えは示すくせに、相手から差し出された手を受け取るのは苦手な人で。
どこか、自分なんかは受け取って良いものではないとばかりに、ただ抱きしめ返してくる事ばかりする。

一度思いっきり殴り飛ばしてやろうかと思った。
鍛えた身体の力を全て使って、骨が痛むまで抱き潰してやろうかと思った。
褥の中、呼吸も早く、汗ばんだ互いの身体を預けている時でさえ、そっと背中に伸ばされた両腕に、貴方は小さな緊張を解けないでいる。

慙愧も哀哭も、後悔も愛情も、全て身の内に湛えて、一人前の忍びは何も持たない、何者にも拘る事の無いものだと、笑い。
大事なものは、もう全て失ってしまったのだと、嘯く。

そんな貴方だから、仕方が無い。
生まれてからここまで、大した人生では無かったし、アンタとの距離を縮めたのも単なる興味本位だからと、そう話してきかない貴方の本当の心を、俺が暴きます。
嫌がったとしても聞いてやるつもりは毛頭無く。
素直に欲しいものは欲しかったのだと、痛く無くなんかなかったのだと。
分かって、俺を酷いと責めるまで。
しつこくずっと貴方に説いて、分からせてあげます。

一年、二年、三年…、時間をかけても一緒に居続けて、貴方の生まれて来た事、ここまで生き続けてくれたことをとても大事に思っている者がいる事を。
かつて自分を愛してくれた者がいた様に、今も自分を深く愛してくれる者がいる事を。
自分もまた相手を愛すことができるのだという事を、気付いて恐ろしさに震え上がって下さい。

貴方の生まれた今日、この日を、とても大事に思っている者がいる事も。
作品名:恋する悲観論者 作家名:はな