片想い
帝人は感情に任せて叫んだ。身体全体に力が入り、震えを抑えようと更に力を込めるもそれは無意味だった。臨也はそんな帝人にうん、と言って微笑みを返す。
「ごめんね」
「……なんで、謝るんですか」
帝人の想いを受けられない。そういう意味でない事はなぜか分かった。臨也は微笑みを苦笑に変え、冷たく理由を述べ始めた。
「僕は君を好きだよ。でも僕が好きなのは人間だから、君一人を愛せない」
ごめんね、と悪びれる風もなく言い放つ。最悪だ、なんでこんな人を好きになったんだ。
「……ごめんね」
そう言って抱きしめてくる、今だけのその優しさに溺れるように抱き付いて泣いた。