二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ガガに呼ばれただけなんだから

INDEX|1ページ/1ページ|

 
イギリスは基本的にメールがそっけない。彼は語彙がないんじゃないかって思うときがある。その、携帯電話に向かい合ったらってことだけど。手紙を書かせると彼はとんでもなく破壊力のあるやつを書いてよこす。それに何回赤面させられたか解らない。アメリカはこの間送られてきたあれのことを考えてさっとうなじに汗が浮かんだので、あわててそれを振り払うように違うことを考えようとした。そもそもつきあってないし好きじゃない。別にそういう関係じゃない。なのにイギリスは手紙の中でだけやけに素直に好意を告げてくれたり、アメリカを褒めてくれたりする。単純に喜んでしまう自分に腹を立てるのと一緒に恥ずかしくなってしまうからいたたまれない。
待ち合わせの時間がメールには書いてある。「十時に」 本当にそれだけ。アメリカは思わず自分が送ったメールを読み返した。もっとずっと長い。どこで待ち合わせをして、何をしに行きたいか。行きたい場所とかあるかい? とか。アメリカはメールを打つのが速いけど、彼に送るまでには時間がかかってしまう。文法とか色々、ごちゃごちゃ言われてしまうからだっていい訳するけど多分それだけじゃない。だからだ。
アメリカはちょっと悔しかったから、お返しに「わかった」とだけ返事をした。あれだけ長いことかけてメールを打ったのに、たった一言だけかって思ったらくやしかったのだ。別につきあってるわけじゃなし、どうでもいいんだけど。イギリスなんかメールが素っ気ないからって言ってそこらの女子に振られまくればいいんだ。イギリスはアメリカをばかばかと言うけど、イギリスだって相当のものだ。アメリカはため息を吐いて携帯を投げ出した。ほんとはちゃんと返事がほしかったのに。あれとか、これとか。確かに打ち合わせのついでにどっか行こうよって些細な誘いかけだったけど、ほんとはそれにのってきてほしかった。
思わずため息をついたところで、携帯が鳴った。ぶるぶるふるえるのと一緒にガガがセクシーな声で歌うので、思わず携帯を持ち上げ、その一瞬後に投げ出したくなってしまった──FromU.K。

さあ、出るべきか、どうする? 耳元でそう訊ねられたような気がして、アメリカは息を詰め、勇気を出して携帯電話の「CALL」を押した。