その手に大空の輝きを 1
対峙するザンザスとツナヨシに、それぞれの守護者たちがよりそう。
「さっさとボンゴレリングを渡せ。カスが」
「ザンザス、話をきいて」
「うるせぇ」拒絶の言葉に、彼の右手に炎が宿る。禍々しいほどに紅く、すべてを灼き尽くす、憤怒の炎。
「ザンザス、この場での戦闘は禁ずる」
「はっ、評議会のじじいどもか。口出しは無用だ。オレには大義名分がある。あんたらも聞いたはずだ。十代目継承にまつわり囁かれる噂を。『先代殺し』この世界で決して許されない、掟破りだ」
「ザンザス!違うの、話をきいて」
「だまれ」
「確かにその件については確かめる必要がある。しかしザンザス、その者は大空のボンゴレリングに炎を灯したぞ」
「それがどうした?ボンゴレに偽りのボスはいらねぇ。かっ消すだけだ」
「ザンザス!!」
ザンザスの炎に臨戦態勢に入るツナヨシの守護者たち。それに呼応するヴァリアー。
一触即発の状態に評議会が決定を下す。
「・・・真実はいずれ明らかになる。いいだろう、十代目継承を賭けて戦うがいい。
ただしリング争奪戦を」
「リング争奪戦、だと?」
「そうだ。すべてのボンゴレリングは審判があずかり、十代目候補者とそれぞれの守護者たちが闘い、勝者がリングを得る。すべてのリングを手にした者がボンゴレ十代目だ。
公平を期すため審判には、同盟ファミリーのボスであるディーノ、アルコバレーノ・リボーン、そしてチェルベッロ機関をあてる。両者とも依存はないな?」
「いいだろう、どのみち同じ結果だ」
「ザンザス・・・」
「ディーノ?リボーン?」
「ああ」
「わかったぞ」
「では、リング争奪戦の開始は七日後、チェルベッロの指示する場所で待て」
【次回更新予定日:2010.10.09】
作品名:その手に大空の輝きを 1 作家名:きみこいし