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きみこいし
きみこいし
novelistID. 14439
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その手に大空の輝きを 2

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そして夜、寝袋にくるまり疲れからツナヨシは熟睡していた。
スースーと寝息をたて、静かに胸元が上下する。たき火に照らされたあどけない寝顔。
リボーンは周囲を警戒しつつ、フッと笑みともつかぬため息をおとした。
ツナヨシの修行につきあって、死ぬ気弾を撃ち、組み手の相手をし、そこそこ疲れていたが、このまま一晩中たき火の番をするつもりだった。どのみち、ボスを警護している間は寝ることはない。
空には星が瞬き、静かに夜はふけていく。

淡い光に照らされ、幸せそうに眠るツナヨシをリボーンは見るともなしに、見つめる。
―――リング争奪戦がはじまったら、オレはもうおまえを支えてやることはできない。
おそらく、これがカテキョーとして最後の授業。

ツナヨシ、おまえは今まで一度も自分から望んで闘ったことはない。
過去、避けられない闘いにも、顔をゆがめて。
いつも、泣きそうに、祈るように、その拳をふるっていた。
その気質は、マフィアのボスにはむいていない。
もっと、別の道を選べたなら、その瞳が涙に濡れることもなく。
その手が血に汚れることもなかっただろう。

だが、オレはおまえの可能性を信じている。
九代目が信じたように。オレも見たのだ。
――――その手に大空の輝きを。


そして瞬く間に7日がすぎ、リング争奪戦が開始された。
初戦をかざるのは、<晴>の守護者。