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アンタの来世アドバイザーより愛をこめて

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あんたの言葉を欠かさず、一語一句、覚えている訳じゃあない。並盛では不文律となってしまった言葉はさておき、そう、いくらベッドがひとつで事足りる仲にあったって。あんたとの会話を覚えていられるほど、オレの頭も体も、あんたに向いちゃいなかった。でも、あんたきっとどうでもよかったよなそんなこと。もともと麗しさなんて持っていなかったけど、オレがボンゴレ解体にシャカリキになってたときも、見れたもんじゃないくらいやつれてたときも、あんたは顔しかめてオレを抱いてたから、きっとどうでもいいことなんだ。あんたは昔も今もオレに記憶力とか美しさなんか求めちゃいないって超直感、以前にわかってたさ。



でもね、いくら頭悪くても薄情でもね。オレあんたのこと好きだから、ちょっとは覚えていることあるんだよ。そうだね、一番思い出せるのが、あれだ。スイカ。そうあの果物と野菜の間さ迷ってる赤い、皮は緑のスイカについてだ。冗談じゃない、大真面目。オレはあんたとスイカについて話したことがある。スイカってさ、よく炎天下、畑で腐らないよねってオレあんたに言ったよ。覚えてるかい。まあ忘れてていいけど。できればゴム着けることを覚えてもらいたいけど。まあ、ともかくあんたはそのときこう言ったんだよ。生きてるからだろって。生きてるから腐らないんだろってさ。続けてだから夏は弱ると腐るからわかりやすいねって、とてもいい笑顔してさ。まあ自慢、だよこれ。世界広しと言えどあんたと数時間一緒にいてさ、単なる無駄話が出来るのってきっとオレだけだろうから。

だから、重要なことって意外と覚えちゃいない。あんたと最後にした会話とかまるで、覚えちゃいないんだ。何度も訊かれたけどさ。訊かれた時点で半月経ってたし。そこから今だろ。最近じゃあ皆あんたの名前普通に出す。けど風紀財団と直接交渉する際なんか皆いつでも自分がオレの代打できるようこっそり準備したりしてる。骸なんか嫌味ったらしく猫の習性について講釈するから今度あの頭むしろうと思う。あんたにそんな可愛気あったらマジメロメロだしっていってやったよ、けっ。ああ、あんたが大好きなオレの先生は、つい昨日直球で訊いてきた。昨日っていうのがにくいね、流石伊達男。もうチューしたいくらいだ。指輪とっくに破棄しちゃったし守護者とか後継者とか実際関係ないけれど、どうするって。まあ投げ出されたから決めておいた。とりあえずあんたの命日はオレの翌日な。これ絶対だから。何があろうとこの日付だけは、ボンゴレの誇りにかけて守れと、いろんなところにお願いしたよ。先生も呆れながら、ま、妥当だなって笑ってくれたし、そういうことでよろしく。

というかさ、あれだよ。あんた今生きてんのか?まあどっちでもいいけどさ、あんた来世は鉛筆になるべきだな。鉛筆はなくしたところで替えがあるし、もう群れ以上に沢山あるし、丁度真逆だからいいだろ。オレはスイカにでもなっとく。腐るんじゃないかって農家のおっさんやきもきさせながらくそ暑い中、それでも生きるわオレ、あんたにとってオレそうだろ、賢さも美しさも求めちゃいない、オレはただ生きてればそれだけでいいんだろ。