【ヘタリア】欲しくて手に入れたソレは・・・
欲しかった。
ただただ、欲しかった。
暖かいところが、欲しかった。
南の海が、欲しかった。
向日葵畑が、欲しかった。
僕に無くて、彼らに在るものが、欲しかった。
欲しくて、欲しくて。
たまらなくなって。
それで、手に入れた。
僕よりも暖かいところ。
僕の北の海より、南の海。
一面の、向日葵畑。
僕に無かったものを、彼らに在ったものを、手に入れた。
手に入れた、そう思った。
思った、のに―…。
手に入れたはずなのに、満たされなかった。
欲しかったものは、確かに全て手に入れたのに。
もう手の届く場所にあるのに。
僕の欲しいもの。僕の欲しかったもの。
欲しいもの、欲しいもの、欲しい、もの、欲しい、ほしい、ホシイ…―
僕をみてくれる、「もの」が、欲しかった。
満たされない僕を、みてくれる…
みてくれる「もの」があれば、満たされると思った。
だから、
それも、手に入れた。
欲しかったから、手を伸ばして、僕のものにした。
全て、傍に置いた。
それなのに、違った。
僕をみてくれるはずの「もの」は、また離れようとした。
手に入れたのは、僕なのに。
僕のものなのに。
ボクノモノナノニ…―!
わからない。
僕は、何が欲しい?
僕は、何がしたい?
何が、何を、何に…
それすら、わからない
欲しくて手に入れたソレは、すでに変質してしまっていた。
遅かった?
手に入れるのが、遅かった?
…ああ、それとも…―。
イヴァンさんの心境。のような何か
この人が一体何をここまで欲しがったのかは皆さん各自妄想で済ませておくように。
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作品名:【ヘタリア】欲しくて手に入れたソレは・・・ 作家名:緋色の白夜