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口封じ

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口封じ(伊→普+独)伊視点。伊のほぼ独白
書くつもりもなかった「目隠し」の続き?っぽいもの。
山梨。落ち梨。黒いパスタ注意。
黒いフェリ好きだ。


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ギルベルトは俺のこと、可愛いだとか、天使みたいだとかいうけど、俺からしたらギルベルトの方がよっぽど可愛いと思う。
そりゃあ初めて会った時は、なんか目付き恐いし、周りは全員敵って顔してて恐いって思ったよ?
恐い顔以外見せてくれなかったんだもん。

でも、気が付いたんだ。ギルベルトって、すっごく可愛い!!
うさぎを撫でようとして失敗して落ち込んでる顔とか。
エリザベータに殴られてちょっと落ち込んでる顔とか。
いつも恐い顔してたから、ギルベルトの落ち込んでる顔ってスゴく新鮮で・・スッゴく可愛いって思ったんだ。
あっ。もちろん笑ってる顔が一番好きだよ?

でもね。もっともっと見せて欲しい顔があるんだ。

好きで好きでしょうがないって顔。
彼の、一番にだけ捧げられる顔。
大昔の、あの大王がいたころは、いつもそんな顔してたよね。
傍にいるだけで十分ってかんじ。
俺、ギルベルトのその顔見るの大好きだった。
だから、彼の大王が亡くなった時、もうギルベルトのそんな顔は見られないんじゃないかって思って、俺も悲しかった。

悲しかったけど、ちょっとだけ嬉しかった。

だって、そうでしょ?
これからは俺がギルベルトの一番になればいいんだもん。
そうしたらギルベルトはあの顔、俺だけに向けてくれるよね?


でも、神様って、すっごくスッゴく意地悪だった。


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「朝食の準備できてるぜ!」

昨日はちょっと冷えそうだったから、ルートのあったかいムキムキに寄り添って眠った翌朝。
また勝手にベットに潜り込んだことに対してのお説教を聞かされながらルートと二人で一階に下りると、リビングで先に朝食をとっていたギルベルトが声をかけてきた。
「兄さんが朝食を作ってくれるなんて、珍しいな。・・・起こしてくれれば手伝ったのに」
少し申し訳なさそうな顔をしたルートに対して、ギルベルトが笑って答えた。
「たまには兄貴らしいとこ、見せなきゃだろ?」
「・・・ダンケ。兄さん」
ルートが微笑むのを、ギルベルトが眩しそうに見つめた。

ギルベルト、気付いてないでしょ。
今スッゴく幸せそうな顔してる。
幸せで幸せで、しょうがないって顔してる。

結局、ギルベルトのこの顔を取り戻したのは俺じゃなくて、ルートだった。
しかも、彼の大王に向けてたものとちょっと違う。

無償の愛。

それと、

恋情。

あーあ。
ズルいよね。
俺のがずっと昔からギルベルトのこと知ってるのに。
なのに彼は、ギルベルトは、その表情を向ける相手をその弟に決めたんだ。

ズルいよ。
神様って、酷い。
だからこれはせめてもの仕返し。

「ヴェッッ!隊長!朝の挨拶をするのでありますッッ!」
そう言って、ルートに向かって両手を広げる。
「・・ったく。しょうがないな」
ルートは小さくため息をついて、俺にハグとキスをする。

ちらり、とギルベルトを盗み見ると、あからさまに目線をそらせてうつ向いていた。
あ。ちょっと、泣きそうかな?
ギルベルトって、元軍国で、策略とか恐いくらいに得意なんだけど、こういう事に関してはスッゴく分かりやすい。
恋愛に不器用すぎるんだよね。
ルートの仕事が忙しくて、深夜帰りが3日続くと大抵次の朝は朝食を準備している。
実は俺がその日を狙ってルートのベットに潜り込んでるって、ギルベルトは気が付いてるかな?
わざわざ裸でルートのベットに潜り込むのも、わざとギルベルトの前でルートにベタベタするのも、ギルベルトが俺よりルートを一番に選んだ事への小さな仕返し。

わかってるよ?
これって、ただの嫉妬。
嫉妬して好きな子を苛めちゃうって、なんだか子供みたいだよね。

「・・おら。お前らさっさと顔洗ってこい」

ギルベルトがちょっと呆れたように声をかけた。

ギルベルトって、俺とルートがお互いに愛し合ってるって、勘違いしてるみたい。
おかしいよね。
そんなわけないのに。
でも、そんな勘違いをしてるってことは、俺にもまだチャンスがあるってことかなあ?
昔はいろいろ煩わしくて滅多に会えなかったけど、今は平和だから会おうと思えばいつでも会える。
毎日会えば俺の気持ち、いつかは気づいてくれるかな?

「ヴェッッギルベルト!ギルベルトも朝のハグー!!」
勢いよく抱きついて、ハグにキス。
ちょっと身長差があって足がキツいけど、これくらい大丈夫。

「っっ!!フェリちゃんから来てくれるなんて、俺様幸せすぎるぜ!!」

ちょっと驚いたような顔をしてから、ギルベルトが笑顔で俺を抱きしめた。
俺が欲しいのはその笑顔じゃないんだけどな。
でもしょうがないから、今はそれで我慢してあげる。

だから、あの顔。

いつか俺だけに見せてね?

それまでは、俺の気持ちも、ルートの気持ちも、みんな内緒。



***************

どんなあなたも私だけのもの。
でも本当に欲しいものが手に入らないから。
あなたが気づいてくれるまで、ホントのことは教えてあげない。


私自身に、



口封じ



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一応、「目隠し」のフェリ視点。なんか…ギャグどこへ行った。誰か私に笑いの神を…!!かといってシリアスでもないorz
フェリちゃんはおそらく一番状況を把握しています。その上でギル苛めを楽しんでおります。うちの天使は大抵小悪魔です。まぁ、愛はあるさ。たぶん。
ここまできたらルッツ書くかなぁ…。
作品名:口封じ 作家名:深槙はろ