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「お茶、煎れたぞ。」


忙しい一日が終わり、百目鬼の部屋で、くつろいでいるところだ。百目鬼の煎れてくれるお茶もなかなかうまい。

「七五三ってさ、神社にお参りに行くもんだとばっかり思ってたけど、寺にもくるんだな。」

「あぁ、檀家の人たちは来るな。うちは、そんなにでかい寺でもないから、50組くらいだ。」

「だけど、準備とか大変なんだな。」

「おまえ、千歳飴の準備とか、随分前から手伝ってくれたんだろ?喜んでたぞ。」

「おば様、ひとりで大変そうだったから。」

「…………また、侑子さんに頼みに行くかな。」

「何をだ?何を頼むか知らないけど、対価をばっちり取られるぞ。」

「あぁ、うちの蔵のもん対価にすれば、かなりの願いをかなえてくれそうだけどな。」

「で、何を頼むんだよ。」

「四月一日を12月中、うちの寺に貸してくれっていうことさ。」

「へ?おれ?貸してくれって何だよ。人を物みたいに言うな。ひょっとして、今日のことも侑子さんに許可でももらってたのか?」

「だって、ほとんど毎日バイトに行ってるじゃないか。12月は寺が忙しいんだ。檀家の人も手伝いに来てくれるけど足りないし。」

「俺に手伝えることなんてあるのか。

「うちの親は、おまえのこと、よく気がつくって、気に入ってるからな。この前なんて、うちに嫁にくれって、侑子さんのところに行く相談してたから、あのふたり。相当真面目な顔してたな。おまえ、うちの親の前では猫被ってんだろ。」

「いやいや、四月一日様は、いつもいつもいい人だから、ハハハハハ。でも、嫁ってありえないから、ハハハハハ。(やべえ、ここの親子、揃って天然だって忘れてた。)」
作品名:お手伝い 作家名:服部