大切な日 1
俺にとっては大切な日。
あいつは覚えているだろうか………
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今日は、たまたま部活が休みだったので、青学に遊びに行くことにした。
校門を入ると、遠くから声が聞こえた。
声の方へ行ってみると、そこではテニス部が練習をしていた。
すると、その中の一人が俺に気づいた。
「あ!氷帝の跡部じゃん!」
すると他のメンバーもこちらに振り返った。
どうやら今日は正メンバーだけらしい。
「本当だ、今日はどうしたのかな?」
菊丸と不二はなにやら話しているようだ。
「いや、別に暇だったから………」
本当は違う。
ただ、ただ―――――――――
「何故お前がここにいる」
そう言って俺に近づいてきたのは、
「て、手塚………」
俺はなぜか固まってしまった。
声が出ない。
「どうした?今日は部活がなかったのか?」
「あ、あぁ」
「なら、一緒に練習でもするか?」
違う、違う、
俺はそのためにここに来たのではない。
「あ、あのさ」
「?どうした?」
「……今日、何の日か知ってるか?」
思い切って聞いてみた。
少しだけ期待していた。
「今日……?すまない、心当たりがないな」
「いいんだ、別に………」
そうだ、俺はなにを考えているんだ。
こいつは俺のライバルで………
「跡部?」
そう思うとなぜか涙が出た。
「おい跡部!どうかしたのか!?」
焦って俺を心配している。
心配をかけてはならない。
「わりい、なんでもねぇ。今日は悪かったな、じゃあな」
そう言って逃げるように青学を出て行った。