【銀魂】水曜日の溜息【土沖】
「人を殺したくなったら、あの娘の処に行きなせェ」
沖田の言葉が、土方の頭上に降る。
訝しげに眉間に皺を寄せ、土方は沖田のほうを見た。
真上にある顔は平生となんら変わりなく、それが余計土方には気味悪く感ぜられた。
「ああ?」
煙草を咥えた口から、疑問符が飛び出す。
釦を最後まで留め終えて、立ち上がりながら更に云った。
「そんな事云ってる暇があったら自分で釦ぐらい留めろ」
「それは出来ませんねェ」
二ヤリと人の悪い笑みを浮かべて沖田は答えた。
「脱がしたモンは着せるってェのが常識ですぜ」
土方は煙の代わりに大きな溜息を吐き、早くこの場を立ち去ろうと思った。
作品名:【銀魂】水曜日の溜息【土沖】 作家名:おねずみ