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きらきらひかるかけらあつめて

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 毛利元就は宙を舞った。けれども舞ったのは彼だけではない。きらきら光る、鏡も大きく小さく砕けて欠片となって、一緒に宙へ放られた。
 今の毛利には光ばかりがすべてなので、鏡の欠片が彼の戦装束を裂き、やわらかな肉を抉っていることなどどうでもよかった。欠片に斬りつけられた箇所よりも、反射を繰り返し束ねられた光のほうがずっとずっと熱く身に沁みたくらいなのだから。
 そして毛利は何より、宙を踊るたくさんの輝きを、ひとつでも多く己の目におさめておきたかったのだ。
 彼の眼球は強い光に焼かれてすぐに何も見えなくなってしまったけれど、それでもその瞼は閉じられず、ついに琥珀色の瞳を欠片に貫かれた。欠片は光を取り込んで、映した瞳の琥珀をあちらにこちらに反射する。頬を濡らすものはその色が表す性に同じく熱い。
 毛利はふっと思う。嗚呼、焼かれている、光に。


 集束した日輪の光は毛利の身を貫き、その命を焼いた。あとには骨すら残らない。
 光の手に抱かれ散ることのなんと儚きかな。