二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【SPARK新刊】follow the light

INDEX|1ページ/1ページ|

 
===本文6~9Pより抜粋===

「なーにやってんだ? スコール」
「うわっ」
 とたん、スコールの視界いっぱいに映ったのは、仲間のひとり――バッツ・クラウザーの顔だった。腰を屈めて、座っているスコールに視線を合わせて人なつこく笑ってくる。
「驚いたか?」
「………」
 訂正しよう、「人なつこく」ではなく「意地悪く」だ。してやったりとにやにや笑うバッツに、スコールは恥ずかしくなって余計に顔が熱っぽくなった。暗がりでバッツには見えないだろうことが不幸中の幸いだが、きっと頬も赤くなっている。
 スコールは溜め息を吐くように深呼吸をして、一瞬だけ跳ね上がった鼓動を通常のスピードに戻すと、バッツをきっと睨み上げた。
「……無駄に驚かせるな。今、俺は見張りしている最中なんだ」
 変に声を上げて、他の皆が寝ているところを邪魔してしまったらどうするんだと厳しく言えば、バッツは頭をぽりぽりと掻いた。
「悪かった。確かに、ほんのすこーし、スコールを驚かせてやろうって気持ちもあったけど……まさかここまで近づいても全然気づいてないなんて思ってもみなくてさ。何ぼけーっとしてたんだ? 考えごとか? それとも、居眠りか?」
「居眠りなんてするわけないだろ」
 相変わらずお気楽なバッツの様子に、スコールは頭を抱えるばかりだ。
「そんなに厳しい顔するなよ。そろそろ見張り、交代の時間だ」
「交代?」
 バッツが隣に腰を下ろしてきたのに、スコールは頭の上にクエスチョンマークを浮かべた。
「俺の次は、ライトだろ?」
「うん、おれがライトと代わったんだ」
 バッツは焚き火に木を足しながら、スコールに経緯を説明してくれる。
「なんでも、アイテムが足りないらしくて、イミテーションやらカオスのやつらが襲ってくる前に集めておきたいんだってさ」
「アイテム……? ポーションやエーテルは十分あるはずだろ? それに足りないんだったら、皆で集めればいい」
「だよな」
 バッツが何やら嬉しそうな顔をしてこちらを見ていたが、スコールはその意図するところが分からない。代わりに、自らの呟いた「足りない」という言葉であることを思い出す。
「そうだ、バッツ」
「ん?」
「その……またあんたに頼むことになってすまないんだが、『魔法が足りない』んだ。ドロー、させてくれ」
「お、いいぜ」
 抵抗なく了承してくれたのは、前に一度、スコールがバッツから魔法をドローしても、彼の心身に何の影響も及ぼさないことを知っているからだろう。
 バッツをはじめ、魔法が使える仲間は大勢いるが、その魔法を使う仕組みはそれぞれの世界で異なっていた。大半は精神力を消耗して、炎や氷を具現させるのだが、スコールのいた世界では、それは人間には許されない行為であった。
 ホンモノの魔法に似せた別の戦闘手法、疑似魔法。ヒトやモンスター、ドローポイントと呼ばれる力場から魔法の構成要素を取り出し、ガーディアン・フォースと呼ばれる精神体を介してスコールの身体の内側でアイテムのように疑似魔法を個数で管理する。
 なので精神力を削って魔法を使うバッツたちと違い、休息を十分にとっても使える魔法の数は増えない。だからスコールが魔法を使い続けるためには、誰かからこうして魔法を「ドロー」する他ないのだ。
 バッツに向かい、スコールは精神を研ぎ澄ます。淡い光がバッツを包み、光は彼の身体からスコールの身体に移動していく。バッツの構成要素を魔法へと精製する。一度に精製できる量には限界があるため、何度か繰り返す。これが魔法のドローだ。
「……もう、大丈夫だ。ありがとう、バッツ」
「いいって。しかし不思議だよな、おれから吸収してるように見えるのに、こっちには全然負担かからないし、ちっとも疲れないんだもんな」
「……本当は何かに頼らず自力で魔法を使えた方がいいんだけどな」
「この『ドロー』ってやつも便利じゃん。おれはスコールに頼って貰えて嬉しいけどな」
 笑顔で、本当に嬉しそうに言うバッツに、スコールは恥ずかしくなる。
「……スコールのドローと違って、ライトの手伝いは誰でもできるし、人数が多いほうがいいのに、どうして手伝わせてくれないんだろうなあ」
 その直後呟かれたバッツの言葉に、スコールははっと息を呑んだ。
作品名:【SPARK新刊】follow the light 作家名:110-8