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塩焼さばと
塩焼さばと
novelistID. 17471
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うぬぼれてもいいですか

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「…なんだ、その顔は」
部屋に入った僕への、潮江センパイの第一声はそれだった。
「え?なんかついてますか?」
ご飯粒でもついているかと少し焦って、ぺたぺたと自分の顔に触れる。
手につくものは何もない。
「バカタレ、、んなこといってんじゃねーよ」
文机に向かっていた腰を上げ、センパイは僕に近寄った。

「何があった」
「!」

ぴたり、と。
頬に重なる手のひら。大きくて節くれだった指先に心臓がはねた。
「お前になんかあって、それに気づかねぇほど馬鹿じゃねぇ」
センパイの親指が、するりと目元を撫でる。
「…ん、」
くすぐったくて、少しだけ声が漏れた。
「なにがあった、団」
二人だけの時の呼び名。真っ黒な瞳が僕を覗く。

そんな目で見つめるのは卑怯だ!

「べ、つに…なにも」
なんだかもうその目を直視できなくて、逃げるように視線を床に反らした。

それでもセンパイは僕を見つめている。
鋭い視線が突き刺さる。

(うわわわ…わ!)

「…フン、まぁ言いたくねぇなら無理にゃ聞かねぇが、」
届いた言葉に安堵した、その瞬間。

荒っぽく腕を取られて、力任せに引っ張られた。
「あっ…ちょ、うわっ」
勢いよく飛び込んだのは、がっしりとした腕の中。
そのまま肩口に顔を押し付けられる。
「…っせ、せんぱい、」
「しばらくこうしててやっから、そのカオなんとかしろ」
気になって仕方ねぇ、と小さく呟いたセンパイからは墨と土と、少し汗のにおいがした。

(…せんぱいの、においだ)

「返事」
「…はい」


うぬぼれても
いいですか

(愛されているのだと)


(……センパイあせくさい)
(…だァってろバカタレ)