お付き合い
俺は最初はとまどった。
そりゃあ、好きな人から告白されてうれしかったけど
とてつもなく突然だったから、びっくりした。
あの雲雀さんが甘い甘い言葉で俺を誘惑してくる。
俺はあらがうことができなくなってしまう。
「んっは・・・っふぁ」
甘い声が応接室に流れる。
こんなの俺じゃない。
ちがう。
こんなの俺じゃない
少なくとも、いつもの俺ではない。
「可愛いね。」
「おれはっ・・・可愛くなんてないですっ・・・」
「何言ってるのさ。こんなに顔を赤くして、口を開けちゃって・・・じゃあ、可愛いじゃなくて、
エロいの方がイイ?」
「そんなこと言ってません。ただ俺にだってプライドはあるってことです。」
雲雀は手をあごにおいて、考える。
何を考えるかはわからない。
そもそもこの人じたい何考えているのかがわからない。
「やっぱり、君には可愛いかエロいしか出てこないね。」
「なっ!もうちょっとあるでしょ!かっこいいとか・・・」
「かっこいい?綱吉が?冗談。」
「冗談ってなんですか!ひどいですよ、それ!!」
雲雀さんは俺の額にキスを落とした
それで俺は顔が赤くなる。
「なっ・・・なにを・・・」
「綱吉は可愛いでいいんだよ。他に言葉はないよ?」
「・・・・・」
もうやめようと思った。
何を言っても無駄だ。
この人はまったく・・・
―――放課後―――
今日は、応接室にはいかず、家に向かっていた。
なんでも並盛の見回りだとかで。
俺は一人で帰っていた。
――雲雀さんに会いたい。
そんなことを思っていたら、会いたくもない奴にあってしまった。
ヴィンディチェの牢獄から脱獄。
青い髪。
左目には六道輪廻が刻まれている。
雲雀さんと同様、
最強で最凶、六道骸。
「また、お前か。」
「またとはなんですか、ボンゴレ。僕はせっかく君に会いに来たというのに。」
「だったら、クロームの方がマシ。100倍マシ。もっとマシ。」
「ひどいですねぇ。今日は雲雀恭也はいないのですね。」
「そうだよ、並盛の見回り。」
「そうですか・・・それはチャンスですねぇ・・・」
「はぁ?骸、お前何言って・・・」
骸の唇が首に当たる。
ピリッと痛みも感じた。
気持ち悪い
ドンッと骸を思いっきり押した。
「なにすんだよ!」
「ひどい人ですねぇ・・・あいさつですよ、ただのね。」
「なわけあるか!お前いま何したんだよっ!!」
「知っているのに、わざわざ言わせますか?」
クフフ・・・と不気味に笑った。
ほんと変なヤツ。
「あなたに付けたのはキスマークですよ。もしそれを雲雀恭弥がみたら・・・どうなるでしょうね?」
「もちろん、お前が殺される。」
「それはどうでしょう?それもあるかもしれませんが、もうひとつ・・・」
「?」
「あなたが抱かれますよ、雲雀にね。」
一瞬固まった。
よく考えれば、あたっている。
雲雀の独占欲。それはものすごいものだった。
今でも思う。これから先思うだろう
――なんでこんな人のこと好きになったんだろう・・・
と
「どうしてくれんだよ・・・」
「僕は大満足ですけどね。」
「俺は満足じゃない!っていうか最悪だよ!!」
「だったら、もっと違うところに・・・」
「そんなこと言ってるんじゃない!早く治せよ!!」
「それは無理ですよ。キスマークは徐々になくなっていくものですからね。」
「なんだよそれ・・・イジメか、オイ・・・」
「まさか。あぁ・・・僕はそろそろ行かないといけません。またお会いしましょう。」
「俺は会いたくないけどな。」
「クフフ・・・可愛いですねぇ。」
こいつもか・・・
「骸・・・いい加減にしないと殺すぞ・・・」
「いつのまにハイパーモードになったんですか?恐ろしい男です。だからこそ、奪いがいがあるというものですね。」
「いくぞ。」
「戦いませんよ。今日のところはね。またお会いしましょう、ボンゴレデーチモ。」
「待てっ・・・」
骸がすぅっと消えた。
逃げやしが速い奴。
「綱吉・・・?」
「雲雀・・・」
「ワオ、呼び捨てかい?この僕を。」
「いつからいたんだ、そこに。」
「さすがだね。勘がイイ。」
「質問に答えろ。いつからいた?」
「初めから。」
「!」
ドンドン俺に近づいてくる。
やばい。
「まったく、こんなところに痕をつけられちゃって・・・」
「離せっ・・・」
「本当に君はイジメがいがある・・・」
「うるさい、だまれ!んんっ」
いきなり雲雀がキスしてきた。
激しい、だけど甘いキス。
「ふぁっん・・・はっ・・・っ」
一度離す。
「クスッ。可愛い。」
「だまれっ・・・」
「フフッ・・・本当に可愛い。」
この後、綱吉は散々いじめられたのは、ほかでもない。