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彼と未来と、約束と。

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ぽつぽつと、小さな雨粒が頬を打つ。


午前中から雲行きは怪しかったが、とうとう空が泣き始めたらしい。
土方から預かった書状は既に先方に渡してきたので斎藤自身濡れても問題はないのだが、不測の事態には常に備えておかなければならない。故に、このままずぶ濡れになる訳にはいくまいと、斎藤は歩調を速めた。

「………――…」

微かに聞こえた声に、思わず足を止める。周りを見渡してはみるものの、人気の無い土手を歩く人影は自分以外に確認できない。
気のせいだったのかと再び前へ向き直り足を進め出した時、それは視界に入ってきた。
坂になった土手の中腹辺り、大人の膝程までの高さもある雑草の中に、不似合いな白。
よくよく近寄ってみると、それは――。
作品名:彼と未来と、約束と。 作家名:香 雨水