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波乱がくぽ 万丈KAITO

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がくぽの返事を確認したカイトは弱々しいがくぽのからだを抱き起こし、鍋のふたを開けた。空になったアイスのカップを名残惜しそうに見つめてから、粥をレンゲですくい、がくぽの口元に持っていく。いくら熱があるとはいっても朝から何も口にしていないため食欲はあるようで、いつの間にかぺろりと平らげてしまっていた。
「・・・それじゃ、僕はもう行くよ。無理しないで、ゆっくりやすむんだよ。」
 部屋を出ようとするカイトの腕を、がくぽが掴んだ。それは振り払おうと思えばすぐにできるくらいの弱々しいものだったが、カイトは物言わぬがくぽの意志を察してか、無言でその場に立ち留まった。
「今日だけ・・・・・今日だけは・・・・・甘えてもいいだろうか・・・・。」
まだかすかに熱を帯びたがくぽの手は、弱々しいながらもカイトの腕をしっかりと掴んだまま離さない。そしてその瞳は、もしもカイトが拒もうとすれば涙の一筋でもこぼしそうなほどに潤んでいた。普段から頼まれれば断れないカイトががくぽの頼みを聞かないはずもなく、ため息一つ、再びベッドに腰掛けた。
「・・・今日だけ・・・そう。今日だけだ・・・。」
2人の身体はお互い絡み合い、危険な一日が過ぎていった
作品名:波乱がくぽ 万丈KAITO 作家名:魂揺