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何度でも、

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瞼の裏に焼け付いた光景。
消えない君の姿。
真実を、全てを知ったときの、表情。
忘れられるわけ、ない。


驚きに目を見張り、
切なげに眉を寄せ、
何かに耐えるように歯を食いしばって、
怒りで顔を歪めながら、
泣きそうな瞳で俺を見ていた。


そのときの彼をなんと表現すればいいのか俺は知らない。

「………そうですか」
彼はただ一言、そう言った。けれど俺にはわかった。わかってしまった。
言葉にならなかった彼の想いを。
―――あぁ、また、失ったんだ
踵を返す彼を包むのは絶望。瞳を彩るのは悲哀。心を占めるのは喪失。
今日ほど自分の行いを後悔したことはなかった。



それから一週間。彼からの接触は、ない。チャットへ顔を出す頻度も減っているようだ。
こちらから連絡を取ってもみたが着信拒否された。
いいだろう。むこうがその気なら、こちらも本気でいかせてもらう。
積み上げた好意も信頼もどうせ底辺を突き抜けてどん底で、これ以上下がることはない。
なら今度は下手な策など練らず、誠心誠意彼に尽くそう。(どこぞの闇医者などは誠心誠意って言葉が君ほどに合わないヤツも珍しいよね、などと言ってきそうだが)
そうしてまた信じればいい。俺を、愛せばいい。
だって俺は、彼を――――帝人くんを誰よりも愛しているのだから!


(俺は人間よりも君を愛してるんだから、君は非日常よりも俺を愛するべきだよ)


作品名:何度でも、 作家名:刻蝶